これからの講座・イベント

2019年8月読書会「慶事」凌叔華を読む

永井 英美 氏(立命館孔子学院中国語講師)

時間:12:30~14:30

場所:立命館孔子学院図書室

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読書会は原則、隔月で偶数月に開催します。中国の短編小説を日本語訳で読んで感想を語り合い、また作者について学び合います。
中国の小説に興味がある方、本を読むのが好きな方、読書会を通して中国の文化や歴史についての興味や知識を深めるとともに、
楽しみながら勉強を続ける仲間を見つけてみませんか?


作品紹介(冒頭)

朝方、張媽は鳳児に服を着せる際、今日は新しい服を着せてあげなくてはいけませんねと言った。
「新しい服って、またお正月になったの?」鳳児は玉虫色に煌めく桃色の緞子の長衣を目にすると嬉しかった。お母さまが自分にそんな服を着せてくれるのはお正月だけなのだ。
「今日は新しい奥さまがお入りになります、あなたさまもお父さまに叩頭のご挨拶をしてお祝いを申し上げなくてはいけませんよ」、張媽は小声で言うと、しばらく黙っていたが、また続けた。「あなたたちお子さま方はやはり、お母さまや三娘さま、五娘さまにお祝いの言葉を申しあげてから、新しい奥さまに初対面のご挨拶をするのですよ」


作者紹介

凌叔華(1900-1990)
北京生まれ。本名・凌瑞唐。大学在学中に創作を始め、『現代評論』に投稿した「酒後」(1925年)で注目を集め、その後も小説や散文を次々発表。魯迅は彼女の小説を評して「旧家庭の淑やかな女性をひかえめにほどよく描いた」と述べたが、その小説は自己の幼少時の体験に基づいて、旧家庭の繊弱な女性の苦悶を、細やかな心理描写を用い、幼い子の眼を通して描いたものに秀作が多い。また絵画的な美しさをもつその散文にも定評がある。作品集に『花之寺』(1928年)、『女人』(1930年)などがある。1928年来日、京都などに住み一年間日本に滞在した(1959年に再度来日)。帰国後は武漢に住み、武漢大学などで教鞭を執る。1947年に夫の陳源と共に国外に出て、フランス、イギリス、アメリカ、シンガポール、カナダなどで過ごし、後、ロンドンに定住。イギリスではロンドン大学、オックスフォード大学、エジンバラ大学に招聘されて、中国文学、中国書画の講座を開設し、英語で講義。なお、幼少時から絵の才能に恵まれた彼女は、自ら描いた絵画の個展の開催など、絵画の領域でも欧州芸術界に大きな影響を与えた。


テキストについて

現在、二玄社『中国現代文学珠玉選[小説3]』所収の作品を順に読んでいます。
テキスト購入費は参加者負担ですが、現在絶版となっておりますので、前日まで、もしくは当日の開始30分以上前にお越しくだされば、事務局で作品のコピーをお渡しできます。図書館や古書をご利用いただいても結構です。


定員

15名程度(要事前申込)


参加費用

無料


お申し込み方法

電話、FAX、メール(宛先:koza@st.ritsumei.ac.jp)にて前日までにご予約ください。
※お申込の際は、①お名前(氏名・フリガナ)、②連絡先(電話番号、メールアドレス)、③参加ご希望の講座名・日程を明記ください。

※画像をクリックすると詳細(PDF)が表示されます。
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