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2019年10月読書会「売られた妻」羅淑を読む
永井 英美 氏(立命館孔子学院中国語講師)
時間:12:30~14:30
場所:立命館孔子学院図書室
読書会は原則、隔月で偶数月に開催します。中国の短編小説を日本語訳で読んで感想を語り合い、また作者について学び合います。
中国の小説に興味がある方、本を読むのが好きな方、読書会を通して中国の文化や歴史についての興味や知識を深めるとともに、
楽しみながら勉強を続ける仲間を見つけてみませんか?
作品紹介(冒頭)
沱江の上流の西岸近くに、連なる山々に囲まれて、盆地がある。雨が降りでもしなければ、人や家畜は朝から小屋を出て山や麓で活動している。しかし、その姿は、たいてい密生した樹林に覆い隠されているので、無人の世界ではないかと思わせる。夕方になると、うっすらとかかる、山につきものの靄が、暗い樹林の陰に点々と灯る明りを覆い、消えようとしている蛍の光のように寂しさをつのらせる。そんな時も、左側の山腹の、灌木とごろごろ転がる岩の間にぽつんと蹲る掘っ立て小屋だけは明りが灯らない。彼等、小屋の中の男と女は、このうえもなく大きな重圧を受けたように無言のままじっとし、この死のような静寂にひっそりと沈んでいる。
作者紹介
羅淑(1903-1938)成都生まれ。本名は羅世弥。故郷の私塾で学んだ後、簡陽県立女子学堂、成都省立第一女子師範中学を経て、1927年、教員をこころざし同女子師範高級中学師範科に入学。中学時代に『新青年』を読み新思想に目覚めた。1929年9月、フランスに渡り、リヨンの大学で教育学、心理学などを学んだ。1933年に帰国し、巴金、黎烈文ら上海在住の文学者とも交流を持ち、フランスの作家の作品、ロシア文学を翻訳、紹介した。1936年、最初の短編小説「生人妻」(訳題:売られた妻)を、巴金が掲載にあたってつけた筆名、羅淑の名義で『文季月刊』に発表、文壇の注目を浴びた。以降、「橘子」(1936年)、「劉嫂」(1936年)、「地上的一角」(1938年)などの短編を発表。38年、産褥熱のため病逝。
テキストについて
現在、二玄社『中国現代文学珠玉選[小説3]』所収の作品を順に読んでいます。テキスト購入費は参加者負担ですが、現在絶版となっておりますので、前日まで、もしくは当日の開始30分以上前にお越しくだされば、事務局で作品のコピーをお渡しできます。図書館や古書をご利用いただいても結構です。
定員
15名程度(要事前申込)参加費用
無料お申し込み方法
電話、FAX、メール(宛先:koza@st.ritsumei.ac.jp)にて前日までにご予約ください。※お申込の際は、①お名前(氏名・フリガナ)、②連絡先(電話番号、メールアドレス)、③参加ご希望の講座名・日程を明記ください。
※画像をクリックすると詳細(PDF)が表示されます。