これからの講座・イベント

2020年2月読書会「新旧時代」関露を読む

永井 英美 氏(立命館孔子学院中国語講師)

時間:12:30~14:30

場所:立命館孔子学院図書室

ツイート Facebookで共有

読書会は原則、隔月で偶数月に開催します。中国の短編小説を日本語訳で読んで感想を語り合い、また作者について学び合います。
中国の小説に興味がある方、本を読むのが好きな方、読書会を通して中国の文化や歴史についての興味や知識を深めるとともに、
楽しみながら勉強を続ける仲間を見つけてみませんか?


作品紹介(冒頭)

 中国の北部、素朴で美しい城壁に囲まれた多くの町の中に、こんなところがある。そこは、春には雪があり、秋には南へと飛ぶ幼い雁がいる。朝には荷馬車を御して郊外から城内へ向かう、フェルトの中折れ帽をかぶった運送人がおり、夜にはラクダが歩むリズムにのって鈴の音がする。苔と野草に覆われた古びた城壁があり、夕映えに輝く、赤い泥砂を敷き詰めた古い道がある。私が幼いころ、人はその地を語るとき、そこを太原と呼んでいた。


作者紹介

関露(1907-1982)
役人だった父の赴任地、山西省右玉県に生まれる。本名は胡寿楣。母は自分の老母を養うことを条件に18歳年上の父の後添いとなった。夫婦の間はいさかいが絶えなかった。父が病死してからは、母が教員となり糊口をしのいだが、先妻の息子に金品をたかられ、母、祖母、妹とともに湖南省長沙へ逃げた。数年後に母も病死し、南京の叔母にひきとられ、祖母と叔母から結納金目当ての結婚を強制される。友人の薦めで上海へ行き、篤志家の援助を受け上海法科大学に入学、労働問題を学ぶ。28年、南京中央大学に移り、30年、文学雑誌『幼稚』に知識人の不幸な愛を綴った処女作『余君』を発表。
自伝的長編小説『新旧時代』(1940)は、幼年期から南京中央大学時代までを描く。教育と経済的自立を厳しく求める母との葛藤や、結婚と家庭に縛られている哀しい男女たちへの愛憎を糧に、自分自身の新しい生き方を模索していく主人公のひたむきな姿が胸を打つ。


テキストについて

現在、二玄社『中国現代文学珠玉選[小説3]』所収の作品を順に読んでいます。
テキスト購入費は参加者負担ですが、現在絶版となっておりますので、前日まで、もしくは当日の開始30分以上前にお越しくだされば、事務局で作品のコピーをお渡しできます。図書館や古書をご利用いただいても結構です。


定員

15名程度(要事前申込)


参加費用

無料


お申し込み方法

電話、FAX、メール(宛先:koza@st.ritsumei.ac.jp)にて前日までにご予約ください。
※お申込の際は、①お名前(氏名・フリガナ)、②連絡先(電話番号、メールアドレス)、③参加ご希望の講座名・日程を明記ください。

※画像をクリックすると詳細(PDF)が表示されます。
event20200201_large

ツイート Facebookで共有

戻る

Archive