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2021年2月読書会「心経」張愛玲を読む
永井 英美 氏(立命館孔子学院中国語講師)
時間:12:30~14:30
場所:立命館孔子学院図書室
読書会は原則、隔月で偶数月に開催します。中国の短編小説を日本語訳で読んで感想を語り合い、また作者について学び合います。
中国の小説に興味がある方、本を読むのが好きな方、読書会を通して中国の文化や歴史についての興味や知識を深めるとともに、
楽しみながら勉強を続ける仲間を見つけてみませんか?
※感想を話し合いますので、なるべく事前に作品を読んでご参加ください。
前日まで、もしくは当日の開始1時間以上前にお越しくだされば、事務局で作品のコピーをお渡しできます。
作品紹介(冒頭)
許小寒はいった、「綾卿、お父さまはあなたに会ったこともないのに、あなたの電話番号をすらすらいえるのよ」彼女の同級生の段綾卿がいぶかしげにたずねた、「どうしてなの」
「お父さまは物覚えがとてもわるいくせに、電話番号だけは例外なの。私、友達の番号を控えるのが面倒なときはすぐ、お父さま登録して、とたのむの。そうすると頭の中にさっさと登録してしまうのよ」
みんなはどっと笑った。小寒は白宮マンションの屋上にある花園のコンクリ―トの高い手摺に腰を掛け、その下に五人の娘たちが集まっていた。
作者紹介
張愛玲(1920-1995)上海生まれ。李鴻章の娘を祖母、張佩綸を祖父とする名門の出身。37年夏キリスト教系女学校を卒業。38年ロンドン大学の留学生試験に合格するが、欧州情勢の悪化のため、翌年香港大学に入学。太平洋戦争開始後、上海にもどる。43年小説「沈香屑」が雑誌『紫羅蘭』に掲載され、日本と傀儡政権の支配下にあって通俗小説、市民小説の需要が拡大していた上海の読書界に新鮮な驚きを与え、「心経」「傾城之恋」「金鎖記」「封鎖」などを次々と発表、その天才的な活躍は目ざましかった。作品は中西文化の交錯する植民地都市上海、香港の上・中層階級の女性の生の桎梏、人間性の屈折やあらがい、下層階級の女性の悲哀などを凄涼感をたたえた冷静な筆致と巧みな技巧で描く。52年に香港に移り「秧歌」「赤地之恋」など新中国の建設過程を否定的に描く小説を発表。55年渡米、晩年は『紅楼夢』『海上花列伝』などの研究に従事した。
テキストについて
現在、二玄社『中国現代文学珠玉選[小説3]』所収の作品を順に読んでいます。テキスト購入費は参加者負担ですが、現在絶版となっておりますので、前日まで、もしくは当日の開始30分以上前にお越しくだされば、事務局で作品のコピーをお渡しできます。図書館や古書をご利用いただいても結構です。
定員
10名程度(要事前申込)参加費用
無料お申し込み方法
電話、FAX、メール(宛先:koza@st.ritsumei.ac.jp)にて前日までにご予約ください。※お申込の際は、①お名前(氏名・フリガナ)、②連絡先(電話番号、メールアドレス)、③参加ご希望の講座名・日程を明記ください。
※画像をクリックすると詳細(PDF)が表示されます。