これからの講座・イベント

2024年度北京大学・立命館大学連携講座「今なぜ中国で『上野千鶴子熱(ブーム)』なのか?」※満席

上野 千鶴子 氏、陸 傑華 氏、大濱 慶子 氏

時間:16:30~19:00 (16:00~受付開始)

場所:立命館大学衣笠キャンパス 創思館カンファレンスルーム

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※当日席分満席となりました。追って当日席分お申込み受付完了の方に、詳細ご案内メールをお送りします。(2024.7.5UP)


※お申し込みいただいた際、「立命館孔子学院開催企画お申込み受付完了」という件名の自動送信メールが届いていない場合、お申込みは完了しておりません。その場合、当日お越しいただいてもご入場いただけませんので、予めご了承ください。



立命館孔子学院では、毎年、北京大学と協力し、連携講座を開催しています。
北京大学と立命館大学の経験豊かな講師陣が、中国文化・社会・経済などについて幅広く分かりやすくお話します。

今年は「今なぜ中国で『上野千鶴子熱(ブーム)』なのか?――少子高齢化と若者の選択:日中社会の新たな課題」というメインテーマについて、3名の講師が掘り下げます。
(中国側講師による講演は、中国語・逐次通訳となります。)


テーマ : 今なぜ中国で「上野千鶴子熱(ブーム)」なのか?――少子高齢化と若者の選択:日中社会の新たな課題

第一部 基調講演
「中国上野千鶴子ブームの謎」
      上野 千鶴子 氏(東京大学名誉教授)※日本語
「上野千鶴子を時代背景から考える―彼女のブームはフェミニズムの問題にとどまらない―」
  陸 傑華 氏(北京大学社会学系教授)※中国語・逐次通訳
「中国高等教育の発展とジェンダー主流化の歩み」
  大濱 慶子 氏(神戸学院大学グローバルコミュニケーション学部教授)※日本語

第二部 パネルディスカッション
「今なぜ中国で“上野千鶴子熱(ブーム)”なのか?」
  パネリスト:上野 千鶴子 氏、陸 傑華 氏、大濱 慶子 氏
  ファシリテーター:杉本 史子 氏(立命館大学講師)


会 場 : 立命館大学衣笠キャンパス 創思館カンファレンスルーム

定 員 : 100名(事前申込制)

参加費 : 無料


講演概要・講師紹介

■「中国上野千鶴子ブームの謎」(上野 千鶴子 氏・東京大学名誉教授)

<講演概要>

東京大学の入学式における来賓祝辞がただちに中国語訳されてネットに流通し、バズって以来、拙著が次々に翻訳出版され、ベストセラーになった。それを契機にして、中国の若者とのオンライン交信の機会が増えた。つねに訊かれるのは中国の読者と日本の読者に違いはありますか、というものだ。やりとりからわかるキャリア、結婚、出産、育児、夫婦関係、親との関係、ライフプランなどの悩みは、超少子高齢社会である東アジア諸国に共通している。とりわけ改革開放以後の中国に市場経済が導入されて以降、資本主義社会に生きる女性と中国の女性とのあいだには、違い以上に共通点が多いと感じる。その中国女性たちに上野の著書が共感を持って読まれるのも不思議はない。中国女性とのやりとりから感じた現実を分析してみたい。

<講師紹介>

社会学者・東京大学名誉教授・認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長・上野千鶴子基金代表理事。1948年富山県生まれ。京都大学大学院社会学博士課程修了。社会学博士。平安女学院短期大学助教授、シカゴ大学人類学部客員研究員、京都精華大学助教授、ボン大学客員教授、コロンビア大学客員教授、メキシコ大学院大学客員教授等を経る。1993年東京大学文学部助教授、1995年同人文社会系研究科教授。2012年立命館大学特別招聘教授。元学術会議会員。専門は女性学・ジェンダー研究、高齢者の介護とケアにも研究テーマを拡げている。『女ぎらい ニッポンのミソジニー』(紀伊國屋書店)、『ナショナリズムとジェンダー』(青土社)、『当事者主権』(中西正司と共著、岩波新書)、『ケアの社会学』(太田出版)『おひとりさまの老後』『男おひとりさま道』(法研)、『おひとりさまの最期』(朝日新聞出版)、『女の子はどう生きるか、教えて!上野先生』(岩波ジュニア新書)『在宅ひとり死のススメ』(文春新書)『フェミニズムがひらいた道』(NHK出版)『おひとりさまの逆襲』(小島美里と共著、ビジネス社)『史上最悪の介護保険改定⁈』(樋口恵子と共編著、岩波ブックレット)『上野千鶴子がもっと文学を社会学する』(朝日新聞出版)等がある。最新刊は『最期はひとり』(樋口恵子との共著・マガジンハウス)『「おひとりさまの老後」が危ない!』(高口光子との共著・集英社新書)『こんな世の中に誰がした』(光文社)がある。



■「上野千鶴子を時代背景から考える―彼女のブームはフェミニズムの問題にとどまらない―」(陸 傑華 氏・北京大学社会学系教授)

<講演概要>

近年、日本の著名な社会学者であり、女性学、ジェンダー研究の代表的な人物である、東京大学名誉教授の上野千鶴子が中国で爆発的な人気を博している。本講演ではまず「中国の上野千鶴子ブーム」現象について説明する。微博(ウェイボー)のトレンドワード、小紅書(RED。女性ユーザーに人気のアプリ)や豆瓣(書評、映画評などを中心とする大手カルチャーサイト)のコミュニティーグループなど、中国のソーシャルメディア・プラットホームに残されたコメントや議論から、恋愛、結婚、性の解放、家族のケア、就職、教育、高齢者介護などの多くの領域で、上野千鶴子が熱く議論されている現状を明らかにする。次に上野千鶴子の主な観点を分析し、中国の時代背景から、この要因を解き明かす。なぜ上野千鶴子の登場が現代中国のフェミニズムを揺り動かしたのだろうか、そしてなぜそれは西洋のジェンダー研究者ではなかったのだろうか。この理由の一端は中国の社会人口変動と結びついていることがマクロデータから分かる。上野千鶴子ブームは、フェミニズムの問題にとどまらない。ジェンダーの問題はより広範囲な社会人口構造の中に組み込まれているのだ。上野千鶴子は、成功は決して個人の努力の結果によってもたらされたものではなく、社会環境によるところが大きいと考えている。彼女の観点は、実際、従来のジェンダー平等という性別二元論を打ち破り、競い合うジェンダー関係という理論上の争いを、「弱者も尊重される」社会の理想へと移行させ、社会の再構築を求めているのだ。この観点は、人口減少、深刻な高齢化、そして女性の教育水準が男性よりも高くなっている現在の中国の時代に合致しているだけでない。中国の若者が生きていく上でかつてないほどのプレッシャーにさらされ、またジェンダー対立が一層激化している社会状況の中で、適切な解決の道を探るためのものとなろう。最後に社会人口が大きく変動するという新たな局面において、東アジアのジェンダー友好に向けた制度的な道筋を考えていく。

<講師紹介>

北京大学博雅特任教授(DP)、博士課程指導教官。北京大学高齢化対策国家戦略研究センター主任、中央民族大学民族学・社会学学院兼任博士課程指導教官。
中国人口学会副会長、中国老年学・老年医学学会副会長、中国計画生育協会常務委員会理事、北京市人口学会副会長、北京市老年学・老年健康学会副会長、北京市老齢工作委員会第三期専門家委員会委員等。北京市社会科学『百人計画』の称号を与えられる。第九回中華人口賞(科学技術賞)受賞。



■「中国高等教育の発展とジェンダー主流化の歩み」(大濱 慶子 氏・神戸学院大学グローバルコミュニケーション学部教授)

<講演概要>

1995年北京で開催された国連の第4回世界女性会議とNGOフォーラムを契機に中国の女性学、ジェンダー研究は大きく開花した。それは中国の急速な経済成長やWTO加盟、1990年代後半から始まる高等教育の大衆化、一人っ子政策の申し子である女子学生の増加、社会階層構造の変化などと同時進行した。中国の高等教育の発展におけるジェンダー主流化の歩みを現地滞在者の視点から振り返る。併せて21世紀初頭中国の大学における女性学、ジェンダー研究創成期、旺盛な外国研究摂取の気運が高まる中で上野先生の著作を紹介したエピソードなどについて触れ、「上野千鶴子熱(ブーム)」の発端を探る。

<講師紹介>

1991年 日本女子大学文学部教育学科卒業
1993年 日本女子大学大学院文学研究科教育学専攻博士課程前期修了
1999年 北京師範大学国際与比較教育研究所比較教育学専攻博士課程修了(教育学博士)
1999年~2011年(中国)中央編訳局中央文献翻訳部日文処専門家
2002年~2011年(中国)中華女子学院女性学系客員教授(2011年栄誉教授)
2014年~2015年 神戸学院大学共通教育センター教授
2015年~神戸学院大学グローバル・コミュニケーション学部教授
2023年~学部長




会場のご案内

立命館大学衣笠キャンパス交通アクセス:https://www.ritsumei.ac.jp/accessmap/kinugasa/
キャンパスマップ:(創思館:30番)




お申込み受付期間

当日席 7月5日(金)10時~ ※満席となりました(2024.7.5UP)


お申し込み方法

※当日席分お申込み受付終了しました。(2024.7.5UP)


※お申込み後のキャンセルは、受付メール内にあるキャンセル専用URLからキャンセルをしてください。(お電話でのキャンセルはお受けできません。)


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