佐藤 満  政策科学部教授

立命館大学では、2002年から知事リレー講義を開講しています。この講義は、読売新聞社と共同で主催し、立命館大学内だけでなく、大学コンソーシアム京都を通じ、広く京都の学生全体に開放されています。授業担当教員である佐藤満・政策科学部教授に毎回どのような講義が行われているのか、開講のねらいや講師となる知事のコーディネートの裏話なども含めお話を伺いました。

なぜ立命館大学で知事リレー講義が開講されることになったのですか?

この講義は読売新聞大阪本社と立命館大学が共催している講義です。政策科学部では、「政策の現場ですぐに役立つ人間、役立とうとする人間」を育てるという教学理念を掲げています。現在では分権改革がすすみ、政治家で行政官のトップでもある知事は政策形成のトップにいるわけです。その知事から直接講義していただけることは大学としても開講することにとても意義がある講義だと考えました。

開講当初は政策科学部の「政策科学特殊講義」としてこの講義がスタートしましが、せっかく開講するのなら「政策科学部内だけではもったいない、広く学生にもふれてほしい」という思いから現在のように他学部の学生、さらには大学コンソーシアム京都を通じて、京都の大学生全体にも受講できるようにしたのです。

毎週、各都道府県の知事をお招きしている知事リレー講義ですが、これだけの知事の方々に来ていただくにはコーディネートが大変ではないですか?

今年は特に参議院選挙と統一地方選挙がある年なので苦労しましたね。特に前期は議会の時期とも重なっていますから、来ていただくのは大変でした。そのような経緯もあり、何回か知事以外の講師の方にも講義をお願いしました。しかし、知事以外のいろいろな立場の方からも講義をしてもらったことで、かえって客観的な視点から知事が戦略的に重要なポジションにいるということが改めて受講生にも伝えることができ、良い機会となったと思っています。ちなみに、後期には宮崎県の東国原知事や滋賀県の嘉田知事など、現在特に注目されている知事も講義に来ていただく予定です。

この知事リレー講義を通じて、どのような人材の育成を目指しているのですか?

この講義を通して、問題解決の重要性を認識できる人材を育てたいと考えています。この知事リレー講義を受講した上で、「自分も県庁で仕事ができるんじゃないか」と思ってもらえれば良いと思います。特に地方公務員を目指すという目標が明確にある人には、将来に活かすことができる講義ではないでしょうか。また、公共政策の分野でも民間人の力を必要としるので、民間人がどのように公の役に立てるのかを考えるきっかけにもなりうる講義だと思います。

知事リレー講義詳細(後期からの講演者情報もあり)[→リンク]

前期の知事リレーPick Up!
[Pick Up! →]第1回:埼玉県 上田清司知事
[Pick Up! →]第2回:山口県 二井関成知事
[Pick Up! →]第3回:宮城県 村井 嘉浩知事
[Pick Up! →]第4回:香川県 真鍋 武紀知事
[Pick Up! →]第5回:七尾街づくりセンター株式会社 事業部長・タウンマネージャー 内山博史氏
[Pick Up! →]第6回:前鳥取県知事 片山善博氏
[Pick Up! →]第7回:静岡文化芸術大学学長 川勝平太氏
[Pick Up! →]第8回:読売新聞東京本社編集委員 青山彰久氏
[Pick Up! →]第9回:福井県 西川一誠知事
[Pick Up! →]第10回:鹿児島県 伊藤祐一郎知事
[Pick Up! →]第11回:和歌山県 仁坂吉伸知事[→インタビューあり]
[Pick Up! →]第12回:長野県 村井仁知事
[Pick Up! →]第13回:愛媛県 加戸守行知事

取材・文李 亘(法学部2回生)