薬学部・菅野清彦教授とフィジオマキナ株式会社とが共同で開発を行ってきた溶出試験アクセサリ「Floating lid-R」が6月に発売開始されました 。
⽴命館⼤学(滋賀県草津市、学⻑:仲⾕善雄、以下「⽴命館」)薬学部の菅野清彦教授とフィジオマキナ株式会社(本社:埼⽟県越⾕市、代表取締役:⽥辺 諒、以下「フィジオマキナ」)とが共同で開発を行ってきた溶出試験⽤新規アクセサリ「Floating lid-R」(以下、「本製品」)が、6⽉に発売開始されました。本製品は⽴命館の 菅野教授が発明し、実⽤化したものであり、フィジオマキナが意匠登録済みです。フィジオマキナが製造および国内・海外に販売を⾏います。
溶出試験は、⽇本薬局⽅で定められた試験法として、医薬品の開発時や市販後の製品の品質検査のほか、後発医薬品の申請に求められる⽣物学的同等性評価などにも国際的に⽤いられています。また近年では、溶出試験結果を基に経⼝製剤の消化管からの吸収性を予測するIVIVC注1研究が盛んに⾏われています。腸内での溶出を評価する際、主にリン酸緩衝液が使⽤されております。しかし、⼩腸の消化管液は炭酸により緩衝されている為、溶出試験と臨床結果で薬物の溶解性に違いが⽣じ、ヒトにおける経⼝吸収性を正しく評価できないという問題がありました。本来、溶出試験には炭酸緩衝液を⽤いた⽅がより⽣体内を再現できるのですが、炭酸緩衝液を⼤気中でそのまま使⽤すると、炭酸が抜けてしまい、pHがすぐに上昇してしまうことが課題となっておりました。
本製品は、⽴命館の菅野教授が、炭酸緩衝液のpH上昇の課題を解決するアクセサリとして考案したものであり、汎⽤されている既存の溶出試験装置に簡便に装着できることから、多くの研究機関でご利⽤いただくことが可能です。本製品を使⽤することで、より⽣体に近い条件で簡単に薬物の溶出性を評価することができるため、動物試験や臨床試験で失敗するリスクを減らし、新薬開発のコスト削減し、さらには医薬品の品質を向上させることが期待できます。
フィジオマキナの持つIVIVCに対する⾼い技術⼒と、⽴命館の研究⼒との強みを持ちより、薬効最⼤化及び副作⽤軽減による医薬品の価値最⼤化を⽬指す経⼝製剤の開発を⽀援し、患者さまの治療とQOL向上により⼀層寄り添ってまいります。
注1) IVIVC:In-vitro in-vivo correlation ⽣体外(in-vitro)と⽣体内(in-vivo)のプロファイルの相関性
製品の概要
- 販売名:Floating lid-R
- 材質:アクリル
- 発売⽇:2024年6⽉
- 製品写真:
- 使⽤イメージ:
- 意匠登録番号:第1748249号、第1748286号
フィジオマキナ株式会社について
フィジオマキナは、2002年に⽇本バリデーション・テクノロジーズ株式会社として設⽴し、溶出試験器とその関連機器のバリデーション・技術サービスプロバイダーとして業務を開始しました。現在では、USP(⽶国薬局⽅)やEP(欧州薬局⽅)の分析⽤標準品の指定代理店に加え、バリデーション・キャリブレーションの技術サービスをベースに、創薬、製剤開発から品質試験の各部⾨のサポートを⾏っております。特に薬物の吸収性予測や注射薬の⽪下吸収性予測装置等、IVIVC研究を加速させる世界の最先端の機器の販売・技術サポートは製薬会社各社から⾼い評価を得ています。2024年1⽉に社名をフィジオマキナ株式会社に変更致しました。