里山講座「地域の木と建築」開催
2024年12月7日(土)大阪いばらきキャンパス(以下OIC)にて、育てる里山プロジェクト主催・里山講座「地域の木と建築」を実施しました。
今回の講座、第一部ではWIN1級建築設計事務所主宰・栗山裕子さんと企業組合もえぎ設計所長・ 田村宏明さんにご登壇いただき、「地域の木と建築」をテーマに講演いただきました。第二部では中田林業代表・中田明さん(2019・2023年里山講座登壇)、森庄銘木産業株式会社取締役専務・森本達郎さん(2022・2023年里山講座登壇)がパネリストとして加わり、実際に地域の木を育てている立場からお話しいただきました(森本さんはオンラインにて参加)。
育てる里山プロジェクトのメンバー、一般参加含め計28名の方が参加くださり、最年少参加者は茨木市の森林サポーター養成講座に参加されているという高校生。幅広い層にご参加いただいた講座となりました。
栗山さんは木が大変お好きで、建物は人の命を育むものという考えのもと、木造をメインに住宅や福祉施設の建築に携わってこられました。「子供には自然素材に囲まれて育ってほしいので、関わる建物内装材はできるだけ身近で多種の木材、土や紙などを使う事を心がけている」「建物は松や杉・桧を骨格(土台)に、椿・リョウブなどの普段は使わないような材は要所要所に使用する」という具合に適材適所に使うことを心がけているそうです。「適材適所に使うことにより『木』本来の本領が発揮されイキイキと輝き、私たちに様々なものを還元してくれる。古い材は宝になる」とのお言葉と共に実際に様々な木を使用した建築物を紹介いただきました。田村さんからは「森を育む建築」と題してお話しいただきました。「暮らしを豊かにしていく山。山を守り持続させるために、その時その時の山の事を考えてモノづくりをする思想を持ちたい」という言葉で講演を締めくくられました。本来は燃やされバイオ燃料になってしまうような木に価値を付け次に繋げる取り組みとして、家具などを依頼し製作されたり、幼稚園の床板に利用したりしているそうです。当日は日本の山で育てられた様々な樹種の木片を講座会場に実際にお持ちいただき、来場者の皆さんは大変興味をもって触って木肌の違いなどを感じつつ話に花を咲かせていました。
二部では、森庄銘木・森本さんより実際に店舗や住宅で利用されている様々な樹種を使った商材や、山を活かす・木を活かすために取り組んでおられる地域の方や取引先を巻き込んだ木と触れる体験ツアーなどについてお話しいただきました。最後の質疑応答では「木材を利用した建築の発展において、重要視されていることは?」「木を使う際に虫対策はどうしてますか?」など率直な疑問や質問が聞かれ、登壇者の皆さまからは建築において心がけている点や樹木に対する思いなどを伺いました。
B棟3階北山丸太の円窓床の前で
立命館大学は、今後も地域・社会連携を通じて相互の信頼関係を築き、新たな価値の創造による地域の発展に貢献することを目指していきます。
OIC地域連携室自主事業(コミュニティ共創プロジェクト)|社会・地域連携の取り組み 大阪|社会・地域連携|立命館大学 (ritsumei.ac.jp)