2025.02.06 NEWS

宇宙戦略基金事業  SX研究開発拠点に採択~立命館大学宇宙地球探査研究センター(ESEC)設立から1年半、 月・火星面環境再現技術の開発と宇宙産業を支える人材育成に取り組む~

 立命館大学(京都市中京区、学長:仲谷善雄)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募する令和6年度「宇宙戦略基金事業」※1において、1月31日、「技術開発テーマ・SX研究開発拠点(課題名:月面探査・利用を産業化するための宇宙機器開発・人材育成拠点)」に採択されました。2023年7月に設置した立命館大学宇宙地球探査研究センター(ESEC)を基盤に、月・火星面を再現した研究環境と月面開発のための地表・地下の探査・調査技術の開発を通じて、非宇宙分野を含む産業クラスター形成と産業を支える宇宙人材の育成など、大学・研究機関・企業※2と連携し、関西地区から宇宙技術開発の活発化に取り組んでまいります。

 宇宙産業における国際競争が激化するなか、JAXAを超える水準の宇宙分野のクラスター形成、持続的なイノベーションの創出や競争力の確保を目的に、宇宙戦略基金における技術開発テーマ「SX研究開発拠点」が設定されました。本事業では、宇宙分野の先端技術や活用可能な非宇宙分野の技術を有する大学等研究機関が中心となり、革新的な研究開発成果を創出・社会実装していくための戦略的な構想の推進が期待されています。

 このたび本大学が採択された「SX研究開発拠点」では、月面探査・利用の産業化に向け、幅広いプレイヤーを創出し、研究開発クラスターハブとなるような関西発の「わかりやすく、利用しやすい」拠点を目指します。月面開発を構想段階から具体的な計画段階に発展させるためには、これまでのリモートセンシングデータだけでは得ることのできない月の「その場探査」が必須であり、月に進出する鍵を握ると考えます。本大学は、技術を用いた宇宙開発と地盤工学の組み合わせ、および宇宙機器開発の実績を生かし、産学官地集結のもと、「ダスト環境試験チャンバー群」「レゴリス分析装置群」「月面模擬フィールド群」「月面統合シミュレーションプラットフォーム」から成る日本版「Dust Testing Facilities」の整備を行い、月面開発のための地表・地下の探査・調査技術「コアサンプラー」「ボアホールプローブ」「レゴリスTG-DTA」を開発します。またこれらの研究環境や開発ノウハウを、非宇宙分野を含めた企業や大学、技術者らに提供することで産業クラスターの形成と人材育成拠点としての機能を果たします(取り組みの詳細は別紙参照)。実施期間は2032年3月31日までを予定しています。※3

※1 令和5年度補正予算分
※2 連携機関(予定):東京大学、株式会社島津製作所、会津大学、岡山大学、慶應義塾大学、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所、横浜国立大学
※3 当初契約期間は、契約日から最初の中間評価(開始後3年を目途)が終了する日の属する年度の末日まで

仲谷善雄学長のコメント

 立命館大学がJAXAの「宇宙戦略基金事業・SX研究開発拠点」に採択されたことを大変光栄に思います。本大学は、未来のあるべき姿という観点から、今取り組むべき人類社会の課題を設定し、それらの解決を通じて社会共生価値(Social Impact)を生み出す「次世代研究大学」となることを目指しています。「宇宙」を重要な研究領域のひとつとして据え、2023年7月には、月・惑星・地球における人類の生存圏拡張と、将来的な居住・生活圏の構築に必要なインフラ技術の開発、チームマネジメント技術、宇宙法などに取り組む研究組織であるESECを設置し、30名を超える専門家が研究を行っています。
 本事業の採択を受け、フロンティアに挑む多様なパートナーと協働し、「宇宙で人類が生きられる時代を創る」ことに挑んでまいります。

佐伯和人ESECセンター長(研究代表者)のコメント

 人類の生活圏が月面や火星へと拡大しつつある今日、すぐに始めるべき活動は何かという問いに対し、我々の明確なビジョンが応えるものであると評価いただいたことに、心より感謝申し上げます。本事業を通じて、月面の地下探査・調査を多角的に推進する拠点を構築し、活動を通じて我々の堅実かつ先見的な月面開発ビジョンを広く発信し、人類の宇宙進出に貢献する所存です。

野口聡一学長特別補佐、ESEC研究顧問のコメント

 このたび採択いただいたSX開発研究拠点では、月面産業化に向けた、理学と工学、宇宙と非宇宙といった壁を越えてボーダーレスで幅広いプレイヤーを集結することで新しい研究開発クラスターを形成し、技術者の裾野拡大とイノベーションを創出することを目指します。月・火星面における技術開発と宇宙人材の育成を目指し、宇宙分野における我が国の国際競争力の強化に貢献してまいります。

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