塩野麻子専門研究員が 第19回日本科学史学会学術奨励賞を受賞
塩野麻子専門研究員が 第19回日本科学史学会賞日本科学史学会学術奨励賞を受賞
このたび、塩野麻子専門研究員(衣笠総合研究機構)の博士学位論文『近代日本における結核管理——病原菌と人間との関係をめぐる歴史研究』(2024年)が、第19回日本科学史学会賞 日本科学史学会学術奨励賞を受賞しました。
本賞は、科学技術史の分野において独創的な研究業績をあげつつあり、当該分野の将来を担うことが期待される者に対して授与するものです。
著書『病原菌と人間の近代史』
塩野研究員の著書『病原菌と人間の近代史』は、2025年1月に人文書院より刊行されました。
本書は、結核の発症者だけでなく、結核菌を有する(かもしれない)不特定多数の人々への対策に注目しています。1930年代以降の予防重視の政策転換を通じて、近代日本の身体管理のあり方を描いています。
受賞コメント
このたびは栄えある賞を賜り、大変光栄に存じます。これまで私は近代日本における結核管理の歴史を研究し、感染症の歴史における〈潜在的なもの〉の主題化に取り組んできました。現在は、体質をめぐる日本の医学知識の生成と流通にも関心を広げ、調査を進めています。今後もさらに研究に邁進し、科学史及び技術史分野に貢献できるよう努めて参ります。
最後に、日頃より研究活動を支えてくださっている立命館大学研究部のみなさまに心より御礼申し上げます。
今後も塩野研究員の研究が、感染症をめぐる歴史理解を深め、科学史・技術史分野の発展に貢献していくことが期待されます。