2025年度秋季立命館大学大学院博士学位授与式を挙行

 9月27日(土)、朱雀キャンパス大講義室において、2025年度の博士学位取得者に対する秋季学位授与式を挙行しました。今年度は課程博士(甲号)37名、論文博士(乙号)6名、計43名に学位が授与されました。式には、仲谷善雄・立命館大学長をはじめ、学園役職者、指導教員、ご家族の皆様が出席し、学位取得者の門出を盛大に祝福しました。

式辞を述べる仲谷善雄学長
式辞を述べる仲谷善雄学長

 式では、仲谷学長より学位取得者一人ひとりに学位記が授与されました。その後の学長式辞で、学長は、課程博士・論文博士の学位取得者に対し、コロナ禍や生成AIなどの環境変化を乗り越えて研究に励んだ努力をねぎらい、指導教授やご家族への感謝と共に心からお祝いを述べました。その上で、博士学位の授与は「社会に変革をもたらす人材の育成」という大学の重い社会的責任を果たすことだと強調しました。また、自然災害の激甚化や国際情勢の混乱、そして生成AIに代表される技術革新といった大きな変化に言及し、「大学は、社会が抱えるこのような課題にしっかりと向き合い、それらの解決に積極的に貢献する存在であるべき」と語りました。特に、DXによって社会が根本的に変わる時代において、「人とAIの違いは何か、そもそも人とはどのような存在なのか」といった問いに対する人文社会的な知が決定的に重要であり、そのような議論を受けて理工系がさらなる発明を試みる『知の循環』の担い手として、博士人材に対する期待はこれまでにないほどに高まっていると強調しました。最後に、立命館大学が多くの優秀な博士人材を輩出していることを誇りとし、「改めて皆様の博士学位の取得をお祝いし、今後の活躍を大いに期待する」と激励の言葉を贈りました。

 式の後半では、課程博士学位取得者を代表して、博士(国際関係学)を取得した任泰然さん(国際関係研究科国際関係学専攻修了)、論文博士学位取得者を代表して、博士(薬学)を取得した松村直哉さんが、それぞれ挨拶を行いました。

任泰然さん
任泰然さん
松村直哉さん
松村直哉さん

 任さんは、学位授与式開催への感謝を述べ、コースワークから論文作成まで指導・支援を賜った先生方や大学関係者に心よりお礼を伝えました。博士課程を乗り越えた達成感を「山登り」に例えつつ、「立命」という理念から自身の本分について深く考察し、その結果として、長年交流した和歌山県有田市と自身の故郷(中国)の高齢化・地域問題を比較調査するに至った経緯を紹介しました。研究が故郷と有田市をつなぐ架け橋となり、地域への深い愛情が研究の原動力となったと語り、今後はこの成果を生かして故郷の高齢者福祉と地域の再生に貢献することが、自身の「本分をまっとうすること」であるという強い決意を表明し、共に学んだ仲間や支えてくれた家族、そして立命館大学への感謝を改めて述べて挨拶を締めくくりました。

 続いて、松村さんは、社会人として40歳で博士研究の道に本格的に足を踏み入れた背景を説明しました。「難水溶解性薬物」の吸収予測に関するご自身の研究について、医薬品開発現場の課題解決につながる重要な成果であることを分かりやすく解説しました。また、指導教員との出会いや、大学コンソーシアムを通じた産学連携が、論文の基盤となった共同研究を可能にしたことに深く感謝を表明しました。「医薬品開発の効率化や、患者さんの生活の質向上に少しでも貢献できれば、研究者としてこれ以上の喜びはありません」と述べ、今後は医薬品開発を通じた社会貢献と後進の育成に力を注ぐ決意を語りました。

 閉式後には、出席者同士が笑顔で記念写真を撮り合う光景が広がり、厳粛かつ温かな雰囲気の中で式は幕を閉じました。

NEXT

2025.09.29 TOPICS

【大阪・関西万博】立命館万博学生委員会「おおきに」コミュニケーション班CWAがワークショップを開催

ページトップへ