立命館大学ボランティア・サービスラーニング(VSL) 公開研究会「大学におけるサービスラーニングと地域貢献-米国・日本の事例をもとに-」を開催
2017年2月4日(土)、立命館大学大阪梅田キャンパスにて、「立命館大学ボランティア・サービスラーニング(VSL) 公開研究会『大学におけるサービスラーニングと地域貢献‐米国・日本の事例をもとに‐』(助成:JR西日本あんしん社会財団)を開催しました。
本企画は、サービスラーニングが積極的に展開されている米国における歴史と潮流、また本学を含めた日本での実践報告を通じて、大学・学生の社会貢献の実態と成果を明らかにすることを目的に実施されました。基調講演には米国からインディアナ大学-パデュー大学インディアナ校のサービスラーニングセンター長を務められたロバート・ブリングル先生をお招きし、サービスラーニングや地域貢献に関する理論や動向について理解を深めました。また、災害復興の過程での教育実践を取り上げることで、次の災害に備えるために求められる社会的な規範や各々に求められる具体的な役割、また発災後の支援の場面で必要とされる多面的な手法について意見交換が行われました。
高嶋正晴・立命館大学サービスラーニングセンター長の挨拶のあと、「立命館大学のサービスラーニング~10年間の実践から」と題して山口洋典准教授が本学のサービスラーニングセンター設立の経緯や現在の取り組みをもとに、開催の趣旨を説明しました。
続いて、日本災害救援ボランティアネットワーク理事長でもある渥美公秀・大阪大学大学院人間科学研究科教授が「他者と共にある実践の社会的文脈~阪神・淡路大震災を原点として」をテーマに、立命館大学サービスラーニングセンターのプログラムも展開している新潟県小千谷市塩谷地区など、長年にわたる災害の現場での支援と研究活動をもとに、日本おけるサービスラーニングにおける展望と課題について問題提起がなされました。
ロバート・ブリングル先生の「米国におけるサービスラーニングと地域貢献に関する伝統と傾向」と題した基調講演では、地域貢献の世界的な展開やアメリカにおけるサービスラーニングの定義や特徴、大学と地域の連携における留意点など、具体的な事例と民主主義の尊重に必要な視点を、哲学的・心理学な観点をから示され、参加者は熱心に聞き入りました。
事例報告では、立命館大学生らと共に活動している関西学院大学社会学部3回生の中野由貴さん、大志万知之さんが「被災地間のリレー:西宮と新潟のあいだで」と題して関嘉寛教授のゼミでの活動を報告されました。その後、立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)で地域連携の企画調整に携わっていた山田一隆・岡山大学地域総合研究センター准教授が、「地域貢献と地方創生:グローバル化の中でのローカリズムへの視点」と題し、岡山での地域連携政策と実践型社会連携教育について報告されました。
当日は、60名を超える参加があり、最後のシンポジウムでは、参加者から積極的に質疑や意見も重ねられ、盛況のうちに閉会となりました。