森本先生

2017.11.29 NEWS

薬学部 森本功治助教が平成29年度日本薬学会化学系薬学部会賞を受賞

薬学部の森本功治助教の研究成果「ヘテロ原子を有する芳香族化合物類の革新的なメタルフリー酸化的結合形成」が、日本薬学会化学系薬学部会の平成29年度日本薬学会化学系薬学部会賞を受賞しました。

同賞の対象者は、平成29年4月1日に満45歳未満で、5年以上継続して日本薬学会の会員であり、有機化学の基礎および応用に関しめざましい研究業績をあげ、今後の活躍が国内外から期待される研究者となっています。

なお、授賞式および受賞講演が11月6日(月)に富山国際会議場で開催された、第43回「反応と合成の進歩シンポジウム」にて行われました。

<森本功治助教のコメント>
受賞研究は、私が大学院博士課程時代から10年以上一貫して取り組んできた研究です。ヘテロ原子を有する芳香族化合物ものクロスカップリング反応の研究は、当時遷移金属触媒を用いても反応の制御が難しいとされていましたが、私は金属触媒を用いないでヨウ素反応剤の分子設計と、反応条件の精査により様々なヘテロ原子を有する芳香族化合物へと展開に成功しました。これからもさらに新しい有機合成技術を創出するため、常に新しい工夫と、研鑽を積んでいこうという決意を強くしました。

森本功治助教(左)
森本功治助教(左)

<研究成果「ヘテロ原子を有する芳香族化合物類の革新的なメタルフリー酸化的結合形成」の概要>
ヘテロ芳香環を有するビアリール類は、天然物、π共役系ポリマーの有用な前駆体や金属触媒のリガンドとして有用な化合物である。芳香環に芳香環をつなぐ手法としては、根岸及び鈴木クロスカップリング反応のようなノーベル賞を受賞した方法が一般的ではあるが、同手法では、反応させる化合物に金属やハロゲンを導入すること、また遷移金属触媒が必要であった。
本研究では超原子価ヨウ素反応剤を用いて反応を行うことで、金属触媒による活性化無しに様々な窒素、硫黄、酸素といったヘテロ原子を有する芳香環と芳香族化合物のC-Hクロスカップリングに世界で初めて成功した。本研究において開発した方法は予めハロゲン化やメタル化等の構造修飾を必要としない直接的かつ簡便で、副産物の少ない有用な手法である。

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