Voices for future leaders修了生紹介

10期生

長谷川 琢也

長谷川 琢也Hasegawa Takuya

株式会社読売広告社
マーケットデザインユニット 
マーケットデザインユニットプロデュースセンター センター長

  • 株式会社読売広告社 
    第3ビジネスプロデュース局 局長代理
  • 株式会社読売広告社 マーケットデザインユニット
    マーケットデザインユニットプロデュースセンター センター長

立命館西園寺塾を通じてのご自身の変化や成長について

ずばり、夢のような学びの時間でした。
この年齢で、これ程までに学びを深められる時間をいただいたこと自体が財産の中、各界の錚々たる講師陣による先鋭的な講義の数々。奈良・京都・福島で文化芸能を極め、歴史を紡ぐ意志に溢れた超一流の先生方に誘われるフィールドワークもまた、西園寺塾でのみ体感可能な、贅沢な時間でした。
また、社会人になると、新たな友人になかなか出会えないとされておりますが、10か月間、“知の探究“という旅を共に過ごした同期もまた、永遠の財産です。

自身の変化という意味では、インプット⇔アウトプットを徹底的に繰り返す機会をいただいたことで、各々の講義、事象における“本質とは何か?“を捉える能力が身に付き、結果、表現することへの迷いもなくなりました。
そして、知識というものは、自身の中に携えていても無意味で、周りに還元し、次世代に託してこそ初めて意味を成すということに気付けたのも非常に大きな変化でした。

特に印象に残っている講義・フィールドワーク・出来事はどのようなことでしょうか。また、その理由についてお教えください。

  1. 講義
    最初と最後に設定された、中島先生の倫理・哲学の講義です。
    初回の事前レポートの前に、中島先生から「あなた自身の考える息吹が伝わってくるような言葉を待っています」という一言をいただいたことで、西園寺塾とは、正解・不正解ではなく、自分の人生経験や感情を元に、問いを立て、自身の考えを深掘りすることが求められているのだと気付きました。
    痛みを伴いながらも、自分自身の内面をえぐる程向き合い、提出した最終レポートと、初回レポートを比較した時、自身の感受性、表現力の圧倒的成長を実感し、10か月の学びがいかに価値あるものだったかを、はっきりと目にすることができました。
  2. フィールドワーク
    灯りの消えた閉門後の清水寺で、私達同期だけの時間をいただき、清水の舞台で森先生にお経を読んでいただいた瞬間です。
    暗闇と静寂の中、目を閉じ、秋の夜風に浸りながら響き渡る音色は、どこまでも深遠で、この瞬間にこの場にいられる幸福感と、二度と味わうことができない寂寥感とが混ざり合い、自分自身の魂が震え続けていることを感じました。
  3. 出来事
    10か月間、私達を陰で支え続けてくださった西園寺塾の事務局お二人に、同期一同によるサプライズ御礼会を実施したことです。
    秋の京都フィールドワークから構想を練り始め、毎週のように打合せを重ね、ビジネスパーソンらしくKPIもきちんと忘れず“お二人の涙“と設定。
    できる限りの感謝を届けるために同期と過ごした時間は、西園寺塾のテーマの1つである“利他”に溢れ、講義で数多く実施したグループワークと比較しても、非常に心に残るものとなりました。

今後の夢や目標を教えてください。

西園寺塾修了後の人事で、これまでの営業セクションに加え、スタッフセクション(=クリエイティブを創る側)も兼務となりました。
「西園寺塾で得た知識や創造性を、社会に生み出せ」という強いメッセージを感じました。
広告代理店は、経済成長のお手伝いと社会課題解決の両輪に応えていける業界です。得た学びをクライアントのみならず、日本の社会全体に還元する。そんなアクションに、これから繋げていきたいと思います。個人的には、ここまで高めてくださった視座を保ち続けられるよう、“生涯学び“の精神で、生き抜いていくことを目標にします。

未来の西園寺塾 塾生にメッセージをお願いします。

私は、会社にいる自分の可愛いチルドレンを、全員、西園寺塾に行かせたいと密かに画策しております(笑)。
西園寺塾は、私の人生で属した場所の中で、最も誇りに感じる場所です。
ある講義で先生が「これからの時代のサードプレイスは、一人になる場所ではなく、仲間と語り合える場である」と仰っていました。
西園寺塾とはまさに、その言葉そのものです。高次元の学びを得られるだけでなく、多くの素晴らしい仲間とも出会えます。
そんな宝物のような時間を味わいに、是非、西園寺塾にいらしてください。

西園寺塾を修了して10か月たった今、感じていること、考えていること

“生涯学び”の精神を実践すべく、西園寺塾修了後、ある資格を取るために、半年間予備校に通いました。気が狂う程勉強し、無事に一発合格。西園寺塾修了生としての面目が保たれた瞬間でした。
その後、ご褒美として20年ぶりに一人旅をしたのですが、選んだ場所はポーランドのアウシュビッツ。冬の東欧を象徴とする陰鬱で凍てつく寒さの中、日常を離れ、自分の心を内省し尽くした時間は、きっと私の壮年期の指針になるような手ごたえを感じています。
西園寺塾と巡り合わなかったら、はたして資格取得に励んだのだろうか。
アウシュビッツに一人旅しようと思ったのだろうか。
修了後、“自問自答”という言葉の素晴らしさを実感することが多いのですが、決して自答自問ではなく、“自問自答“であること。つまり、自分への問いが先であり、問いを続けない限り、答えは出ないということ。
“問いの重要性“も西園寺塾から学んだ大切な要素でした。

リベラルアーツは旅に似ていると思います。
様々な学問と様々な景色。知らない世界を知ることは、自身の視野を拡げることはもちろん、足るを知ることで、自らの環境への感謝、他者への受容性も得ることができます。
生涯、自身への問いと学びを止めない人生へ。
私の人生もまだまだ長い旅の途上で、夢は蕾です。
西園寺塾という存在に心から感謝をし、自身が成長することで恩返ししていきたいという想いが、10か月経った今、更に深まるばかりです。