Voices for future leaders修了生紹介

11期生

大江 真利恵Ōe Marie

三菱自動車工業株式会社
北米第一部 マネージャー

立命館西園寺塾を通じてのご自身の変化や成長について

社会人になり十数年、一つの組織に属し、日々の業務に追われ、日常の閉塞感と焦りを悶々と感じるなかで、何か大きな変化を作り今の状況を打破したい、新たな学びの機会を得たい、という内なる意欲がふつふつと沸き、西園寺塾へのチャレンジを決意しました。

想像を超える課題図書とレポートに追われる日々、各講義では第一線でご活躍される先生方からの講義とディスカッションに頭はフル回転。この1年で私の脳のシワは相当増えたと思います。

立命館西園寺塾での学びを通じて多くの変化や得たものがありますが、大きくは次の3つです。

  • 誰もが疑問に思わず、信じ切っている前提や枠組みを「問い・疑う」力
  • 多様な領域/分野を横断する武器
  • 人生を生きる上で忘れてはならない価値や精神

西園寺塾では、当たり前としている常識や考え、概念を一度引いた立場で相対化し、考え、「問い・疑う」ところから始まります。講義の回数を重ねるなかで、過去の学びと繋がる瞬間が何度もあり、自分の引き出しが増えていると実感できることは充実感を味わえる楽しい瞬間です。今生きている時代が戦後の常識を覆す変革の時であると認識し、その中で自分は何を大切にすべきかを考え抜く1年でした。

西園寺塾を修了後、タイミングを見計らったかのように「トランプ関税」という自動車業界を揺るがす事態に直面しましたが、先が読めないこの状況に立ち向かい、諦めず最善の手を考え続ける気持ちを持てるのは、西園寺塾での成長があったからこそと感じています。

特に印象に残っている講義・フィールドワーク・出来事はどのようなことでしょうか。また、その理由についてお教えください。

  1. 福島フィールドワーク:開沼博先生(東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 准教授)

    現場に足を運ぶ大切さを痛感したフィールドワークでした。2日間を通して、「震災前の福島」、「震災時に何が起こったのか」、「その後どのようにして今の復興に繋がっているのか」が一本のストーリーになり、メディアで取り沙汰される話は断片で切り取ったものに過ぎないことに気付きました。私は小学生の時に阪神淡路大震災を経験しています。福島訪問と開沼先生のお話は、神戸の震災直後と現在、また復興していった街の記憶を思い返す機会になりました。「復興」と一言でいってもそのアプローチは被害の規模やその地域特性により異なるものが求められます。大切なのは「人々の暮らし」であることを忘れてはいけないと思いました。

  2. 中川毅先生(立命館大学古気候学研究センター長)
    「古気候学が照らす過去と未来ー『想定外』の時代をどう生きるかー」

    中川先生の熱いプレゼンテーションに惹き込まれているうちに、考えさせられることがどんどん浮かんだ講義でした。「私たちが当たり前と思っている常識の数々は、実は常識でもなんでもなく、今、この瞬間でしか通用しない局所的・局時的な習慣に過ぎない。だからこそ、価値観や常識に流されず、「世の中の本質をみる、つかむこと」を意識することが重要であることにハッとさせられ、心が揺さぶられました。モノゴトを億年単位で考えた経験なんて無かったですが、データに基づく理論から5分と5億年の見方はそりゃ全く違うなと実感させられる。この講義で得た着眼点を、仕事においても人生においても生かし続けたいと思います。
  3. 小泉悠先生(東京大学 先端科学技術研究センター 准教授)
    「ロシア・ウクライナ戦争と日本の安全保障」

    混迷を極めるロシア・ウクライナ情勢の真っ只中のタイミング、今現在起きている戦争、毎日命を落とす人が大勢いる事態を自分でもどう理解し落とし込めばよいのかずっと悩んでいました。ロシアにも軍事にも精通している小泉先生の講義で強く印象に残ったことは、どのような理屈があろうと人として絶対に見失ってはいけないことへの言葉です。勝った負けたをどう評価しようが、如何なる正義があろうが、人道への罪を許してはならないこと。我々が変えられる世界のことだと思って対峙すること。我々の集合的な力があることを認識すること。迷い、曇っていた自分の心でしたが、揺らいではいけない真理を学べた講義です。

今後の夢や目標を教えてください。

「どうすれば日本がより持続可能な発展ができるか」、「どうしたらこの現代社会の閉塞感を打破する力がもてるのか」、「子供たちが将来健やかに過ごせる社会を創れるか」を、西園寺塾での学びの目的として挙げていました。この1年で問題解決や新たな価値を創造するための武器を沢山持たせてもらえたと思っています。自分の経験と西園寺塾での学びに化学反応を起こし、社会にどう還元するかは自分次第。会社では一人でも多くお客様に新たな価値やワクワクを提供出来るように、生活では自分の周りの人を幸せに出来るように、中川先生の講義にあった「人生を楽しむ努力」を大切にしながら日々邁進していきたいと思います。

未来の西園寺塾 塾生にメッセージをお願いします。

時が経つと自分も変わる。「資本主義」や「民主主義」といった同じ概念を学んだとしても、学生時代と社会人とでは捉え方が全く違う。立命館西園寺塾は、改めて学ぶことの楽しさ、考え抜く大変さ、対話による視座の広がり、またドキっとする指摘をくれる仲間に出逢える素敵な学び舎です。己の限界の壁にブチ当たることもありますが、一緒に笑いながら超えてくれる同期生達がいます。1年、全力でチャレンジしてみてください。いつかOBOG会で皆さんにお会いできることを楽しみにしています。