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2017年6月3日のキャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において、株式会社ネットジンザイバンクヒューマンキャピタリストの岡本麻以氏にお越しいただき、「人材サービス業界の仕事」というテーマでご講演いただきました。


本学スポーツ健康科学研究科の修了生でもある岡本氏は、まず、自身のキャリアを振り返り、留学経験や海外でのインターンシップを通じて、カレッジスポーツに興味を持ち、大学院に進学後、カレッジスポーツの研究を進める中で、「なぜ?」ということにこだわりを持ち続け、「解」を見出すという地道な積み重ねが社会で勝負するための力、素地をつくったと学生に伝えられました。大学院修了後のキャリアを見据え、就職か研究者をめざすのかという岐路に立った際に、「カレッジスポーツのマーケットを拡大したい」という想いを叶えたいということで、進学ではなく、就職を選択されたということでした。その際、カレッジスポーツのマーケットを拡大するために、「人と人が集まるきっかけをつくる」ということと、「スポーツの新しい捉え方を生み出す」という2つの視点を持って、就職活動に臨んだところ、その視点がユニークだという評価をしてくれたウィルグループに就職を決めたということでした。

次に、「人材サービス」の業界の構造や仕事の特徴と、中でも「ネットジンザイバンク」という企業が他企業と差別化している点について説明されました。ネットジンザイバンクは、単に優秀な人材を育成し、企業や社会に送り出すだけでなく、インターネット領域に特化し、ベンチャーキャピタルやコーポレート・ベンチャーキャピタルと連携しながら、「日本から世界で勝てるチームをつくる」ということが企業の特異性であると説明されました。また企業を見極める目を持つことが重要だと学生に伝えるために、非上場にもかかわらず、企業価値が10億ドル(約1200億円)を上回る有望ベンチャーのユニコーンランキング(めったに姿を見せないという意味を込め、伝説の生き物「ユニコーン」に例えた巨大ベンチャーのランキング)や1989年と2017年のわが国の株式時価総額ランキングなどを提示しながら、現在の優良企業が必ずしも将来、優良企業であり続けるかどうかはわからないため、時代とともにビジネス界で刻々と変わるプレイヤーの将来性を見極める目を持つことの重要性について説明されました。

最後に、学生に対して、「勝てる個人」となるために、武器の多様性(多さ)と稀少性(珍しさ)の2つの視点から自分が社会で選ばれる人材となっているかということを意識してほしいと伝えられました。つまり、自分を定義づける(自分を表現する)時に、他者と異なる強みを持つことが社会で生き抜くための競争優位となり、いまのうちから自分のことを語る「タグ」を意識する必要があると学生に伝えられました。学生が記入した感想の中には、「業界に対する認識が劇的に変わった」、また「企業や社会を見つめる目線が鋭いと感じた」というものが見られ、岡本氏の特別講演に少なからず、学生が刺激を受けた様子がうかがえました。