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2017/6/15のキャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において、株式会社ルネサンス執行役員の澁谷弘衛氏にお越しいただき、「民間フィットネスクラブにおける仕事」というテーマでご講演いただきました。


澁谷氏は、フィットネス業界や業界を取り巻く社会の動向について触れながら、アメリカのフィットネスクラブ人口が15%を超えるのに対し、わが国が3%程度に留まっている理由と潜在可能性があることを説明されました。中でも、長寿社会と言われるものの、平均寿命と健康授業の格差が広がり、とりわけ、生活習慣病によってもたらされるロコモティブシンドローム、さらには精神疾患の罹患率の上昇を考慮し、民間フィットネスクラブの果たす役割が単なる身体的な健康だけに留まらないという状況についても説明されました。

また民間フィットネスクラブの事業領域が単なるフィットネス事業としてではなく、医療費の高騰を背景とした企業の健康経営や自治体の健康増進、またシニアを対象にしたコミュニティ形成や介護予防事業、女性に特化した専門化プログラムの提供、そして指定管理をはじめとした施設経営や異業種とのコラボレーションなど、より一層拡張している様子について、説明されました。中でもルネサンスは、ベトナムへの海外事業を展開しており、グローバルマーケットへの進出もめざましい一方で、この海外進出には、企業理念と事業展開に明確な大義があり、「川が多い都市において、大雨にともなう河川の氾濫による溺死者が多く、このような状況を改善したい」というミッションを掲げ、スイミングの指導に力を入れて、インドネシア国民の泳力改善に資する事業に手掛けているということでした。つまり、民間フィットネスクラブは、単に健康を人々に届けるだけでなく、健康や健康にまつわる様々な知識やスキルの獲得が、社会的課題の解決にもつながる意義深い仕事であると述べられました。

澁谷氏は、最後に、「人に“ありがとう”といわれる仕事に就いてほしい、人に感謝される仕事に手掛けてほしい」というメッセージを学生に残されました。それは、「生きがい創造企業」を経営理念として掲げるルネサンスの社員として、また同様の専門領域を学んだ先輩としてのメッセージも込められていたように思います。