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2018年6月21日の「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において、佐那河内村役場の安冨圭司氏をお招きし、「公務員の仕事」というテーマでご講演いただきました。

2018621日のキャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において、徳島県唯一の村である佐那河内村役場の安冨圭司氏をお招きし、「公務員の仕事」というテーマでご講演いただきました。

安冨氏は、「公務員の仕事」というよりは、地方都市、とりわけ、人口減少、高齢化、過疎化などの問題を抱える小規模の自治体における地方公務員の仕事に、どの様な可能性があるのか、それをご自身の経験を踏まえながら、建前ではなく、本音でいろいろと語って下さいました。佐那河内村は、人口2,378人、高齢化率45.2%という県内でも屈指の高齢地区であり、IT企業の誘致などに成功する神山町、また高齢者の生きがいづくりにつなげている「葉っぱビジネス」やゴミのゼロウエストを実現している上勝町といった地方創生ビジネスで名をはせた地域に近隣しています。安冨氏は、民間企業から転職し、佐那河内村役場の職員となった以後の産業観光課公共牧場担当、環境課・健康福祉課・産業環境課廃棄物担当、教育委員会社会教育担当、健康福祉課選挙管理委員会書記、総務企画課若手定住促進担当と歴任してきた職務を事例に取り上げながら、村の仕組みを創る、特に地域の課題解決に手掛けてきた様子について説明されました。中でも、「未来」へとつながる仕事、また村民の「記憶」に残ること、そして村民をはじめとした、多くの人々の「共感」を得ることが大切だと述べられました。国家公務員が「監理業務」に忙殺されるのに対して、地方公務員、とりわけ、小さな自治体ほど、部局の壁にとらわれることなく、住民の福祉の増進を図ることであれば、ユニークなことが実現できると述べられました。また安冨氏は、地方自治法では「できないこと」を可能にするため、一般財団法人さなごうちを設立されたことや、今後、国家公務員の副業が解禁になることについても触れられ、公務員という縛りにとらわれる過ぎることなく、主体的な関心と様々な興味、さらには、多様な体験によって、「感」を磨くことが重要であり、不確実性がより一層高くなるこれからの時代において、「適応力」と「判断力」を身につけ、これからの地方自治体を一緒に盛り上げましょうという地方公務員を志してほしいというメッセージを学生に送られました。

最後に、「『型』があるから『型破り』なことができる。『型』がなければ、単なる『形無し』」という18代目中村勘三郎氏の言葉を紹介され、公務員という仕事の「型」を破っていきたいということ、そして学生にも型を破るようなチャレンジをしてほしいと述べられました。学生も大いに刺激を受けたことと思います。