ニュース

education

2018年7月19日のキャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅠ・Ⅱ」及び大学院科目「スポーツ人文社会科学特論」において、日本体育大学特別研究員の山口真緒氏と広島大学大学院の白石智也氏をお招きし、「保健体育教諭の仕事と青年海外協力隊の活動」というテーマでご講演いただきました。

2018719日のキャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅠ・Ⅱ」及び大学院科目「スポーツ人文社会科学特論」において、日本体育大学特別研究員の山口真緒氏と広島大学大学院の白石智也氏をお招きし、「保健体育教諭の仕事と青年海外協力隊の活動」というテーマでご講演いただきました。

山口氏は、子どもの頃に訪れたインドで経験、とりわけ、日本との教育環境の違いを子どもの頃、肌で感じたことが海外で教育活動に携わろうとしたきっかけになったとのことでした。大学卒業後に堺市立の小学校に赴任し、1年生の担任を任され、まだ教員として駆け出しであった自分自身を周りの教員のサポートを受けながら、めまぐるしい1年目の教員生活を終えたと述べられていました。2年目を迎え、学年が4年生へと変わり、比較的自立しはじめた生徒たちに囲まれながら、教員生活を過ごしていたときに、小さい頃に抱いた海外での教育活動に携わるという夢を思い出し、2年間で小学校教諭のキャリアを閉じて、青年海外協力隊の一員としてウガンダへと旅立たれました。ウガンダでの教育活動は、日本の教育環境との違いを知ることばかりだと説明され、日本では、1クラス40人に満たない生徒数が、ウガンダでは1クラス120人という環境で教育しなければならなかったことや、体育や音楽という教科を教師が軽視する傾向にある状況で、勝ち負けだけではない、スポーツの価値を文化の違いを越え、どの様に伝えればよいのか、日々、悪戦苦闘した様子を、事例を交えながら、学生に語りかけられました。

白石氏は、サッカーに明け暮れた学生時代を振り返りながら、何の疑いもなく教員になるつもりだったところ、青年海外協力隊の活動経験のある教員と巡り会い、自分自身の視野の狭さを痛感し、その教員の影響もあってか、大学卒業後、青年海外協力隊での活動を目指したということでした。白石氏は、山口氏と同様にウガンダに派遣され、体育が教科として軽視される状況を目の当たりにし、「体育」を広めることの難しさを感じたと述べられました。ウガンダでの状況を打破するために、白石氏は、まず、体育が重要な教科であることを学校長に認識してもらうため、体育という教科が子どもたちにもたらす影響などを報告書にまとめ、成績表に体育の評価を記載する欄を設けさせたり、生徒が着用するスポーツウェアなどを公費で購入することができるようにさせたりするなど、精力的に学校に働きかけたとのことでした。白石氏が青年海外協力隊の活動中に掲げた3つのミッションは、①体育の素晴らしさを「子どもたち」に伝える、②体育の素晴らしさを「教員」に伝える、③体育を継続するために必要な仕組みを創る、というものだったようです。2年間の協力隊の活動を終え、現在は、大学教員を目指し、大学院で教育の研究に励んでいるとのことでした。

授業後、学生からの質問が後を絶えず、質問待ちをする学生の列ができるほど盛況で、両氏が学生の心をしっかりと捉えた様子がうかがえました。本当にありがとうございました。