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「スポーツマネジメント論」:パ・リーグのマーケティング戦略


去る2019624日の「スポーツマネジメント論」において、パシフィックリーグマーケティング株式会社の森田氏をお招きし、「パ・リーグのマーケティング戦略」というテーマでご講演いただきました。

森田氏は、まず、パ・リーグとプロ野球の構造や特徴について述べられ、とりわけ、「個別最適化」をめざすプロ野球のビジネス構造において、野球という試合のオペレーションと興行を成り立たせ、修正を上げるためのビジネスオペレーションがあり、この2つの機能を両立させることの難しさについて述べられました。個別最適化を志向するセ・リーグに対して、パ・リーグは、2005年の球界再編問題を機に、メジャーリーグベースボール(MLB)の成功事例を見習い、1球団ではできないことと6球団で一緒に取り組んだ方がいいことを実現させるべく、「全体最適化」のビジネスモデルを確立するため、2007年にパ・リーグ6球団の合同事業会社であるパシフィックリーグマーケティング株式会社を設立したという背景などについて説明されました。

とりわけ、パシフィックリーグマーケティングがプロ野球の新しいファンを増やすため、比較的、プロ野球との接点が薄いライト層に焦点を絞り、新しい観戦スタイルを提案するための「パ・リーグTV」や「パ・リーグ.com」、草野球や女子野球、また野球以外の競技のネット配信、さらには潜在的ファンを発掘するため、「パ・リーグがっこう」という知育アプリなどといったIT事業の展開事例や、子どもファン拡大のために、ウルトラマンや仮面ライダーといった人気キャラクターとコラボ企画「親子ヒーロープロジェクト」や台湾市場に焦点を当て、インバウンドビジネスといったマーケティング事業の展開事例について紹介下さいました。その他にも、パシフィックリーグマーケティングが取り組むコンサルティング事業や人材組織事業の事例などについても具体事例をあげながら、説明して下さいました。プロスポーツビジネスの内実を知らない学生にとっては、多領域に渡るスポーツビジネスの可能性を知るよい機会になったことと思います。

(ニュース)20190626-2