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スポーツ健康科学セミナーⅡ 特別講義:総合金融業界の仕事


去る79日に、キャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅡ」の授業において、株式会社クレディセゾンの石田明氏と、本学産業社会学部を卒業した水野理恵氏に「総合金融業界」の仕事について特別講義をしていただきました。まず、本学客員教授でもある石田氏から「クレディセゾンの歩み」についてお話しいただきました。

1951年、月賦百貨店「緑屋」として創業し、1976年に西武百貨店と資本提携をした後、クレジットカード事業への転換を皮切りに、リース、信用保証、ファイナンス事業への多角化事業、そしてアジア主要9カ国を拠点にクレジットカード事業で培われた英知をグローバルビジネスへと展開していることなどについて説明されました。現在は、決済ビジネス、ファイナンスビジネス、資産運用ビジネス、アジアビジネス、ソリューションビジネスといったことを基軸に、お金に関する「安心」と「なるほど」を多様な顧客に提供する「総合金融カンパニー」として幅広いビジネスを展開していると述べられました。特に印象的だったのは、低経済成長の「平成時代」における経済指標データを提示されながら、30年間に時価総額世界ランキングに名を連ねる企業が様変わりしていることを例示し、これからの時代、新しいビジネスを切り拓く「能力」を養うことが大切だと述べられました。またその能力も単なる知識やスキルではなく、自分で何かを成し遂げようとする強い意志と、その意志に基づき、継続して努力することを怠らず、自己啓発し、「努力を継続する情熱」、これこそが「能力」であると説明されました。そして、クレディセゾンという会社の魅力は、「何でも(挑戦)できる会社」であり、20に及ぶ会社の文化を紹介して下さいました。

次に、本学卒業生である水野氏から就職活動時の頃のことや入社後のキャリアについて、お話しいただきました。水野氏は、お母様から受けた影響もあり、幼い頃から開発途上国に関する支援に興味を持ち、そのような支援が地域の持続的な開発につながるようなことを手掛けたいという想いを持っていたということでした。高校生の時に海外留学をした経験によって、そのような想いをさらに強め、立命館大学産業社会学部に進学後、学生時代に国際協力や発展途上国の支援などにかかわるボランティア活動などにも従事されてきたということでした。ただ、水野氏が就職活動を進める頃は、「就職超氷河期」という時代にあり、100社エントリーしてもなかなか内定すら手に入れることができないという厳しい状況であったということでした。結果的に、「ファイナンスビジネス」という切り口で、開発途上国の発展に寄与できるのではないかということで、クレディセゾンへ入社されました。入社後、当然、すぐに自分がしたいという業務には就けず、悶々と仕事をする状況で、尊敬する上司の言葉を胸に秘めながら、語学力や国際経験を活かすことができる海外事業部に異動し、2019年からインドの企業に出向されました。現在、融資手続きのオンライン化とそれにともなう事業効率と顧客サービスの向上を図るデジタルレンディング事業に携わっているとのことでした。とりわけ、印象的だったのは、幼い頃からの想いであった開発途上国の持続可能な発展に貢献するため、インド経済の成長に貢献する、インドでのスタートアップ事業を他国でも活かし、後輩たちが挑戦したくなるような「面白いビジネス」を創造する、そして海外経験を活かし、次世代を担うような人材の採用や育成に携わり、「多様性」が受け入れられる風土を、会社だけでなく、日本中にも醸成することに貢献したいという5年後、10年後、15年後のキャリアビジョンを描かれていることでした。そして、最後に、キャリアをデザインする上で大切にしていることとして、「直感を信じ、迷ったらGo!」「やらずに後悔するよりも、やってから後悔すること」「周りの出来事に興味・関心を抱くとともに、尊敬できるロールモデルを見つけること」「仕事も人生も豊かにするような仕事以外のコミュニティを持つこと」など、本学の校友として、後輩である学生に意味あるメッセージを下さいました。

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