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スポーツ健康科学セミナーⅡ 特別講義:スポーツ用品業界の仕事


去る79日に、キャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅡ」の授業において、アシックスジャパン株式会社の永家信洋氏と原田絢子氏に「スポーツ用品業界」の仕事について特別講義をしていただきました。

アシックスジャパン株式会社は、立命館大学との包括連携協定先の企業でもあり、これまで学園のスポーツ振興や大学スポーツの発展に寄与する様々な取り組みをしてきました。まず、永家氏からスポーツ業界を取り巻く環境について、話をされました。とりわけ、ビックイベントが到来する「ゴールデン・スポーツ・イヤーズ」という2019年から3年間に訪れる「好機」について説明され、とりわけ、東京オリンピック・パラリンピックの開催後にもたらされる「レガシー(遺産)」をどのようにビジネスチャンスに結びつけるかが重要であると述べられました。また社会環境の変化について取り上げられ、少子高齢化が進行する状況での「アクティブシニア(活動的な高齢者)」が増大していること、「ウィズコロナ・アフターコロナ」の状況下における在宅ワークにともなう運動不足などの状況を取り上げられ、社会的・経済的な環境が激変する状況で、人々の「ライフスタイル」に寄り添い、さらには、新しい「ライフスタイル」を提案するようなビジネスが求められていると説明されました。

とりわけ、印象に残ったのは、「ウィズコロナ・アフターコロナ」でアシックスが企業として発信してきたメッセージが「深くしゃがんで高く跳ぶ」というものであり、厳しい状況だからこそ、その環境に適応するだけでなく、新しいビジネス環境を作り出すような仕掛けが重要であるものでした。今後、アシックスが手掛けようとしている事業展開として、「Anima Sana In Corpore Sano(健全な身体に健全な精神があれかし)」という社名の由来である創業哲学を見つめ直し、「スポーツ工学研究所」という製品開発の基盤を担う化学的英知を活かしたものづくりや、欧州を中心として人気を博している「オニツカタイガー」というファッション性豊かなスポーツスタイル市場の成長、さらには、グローバル事業での強みを活かしながら、ランニング事情での復権を目指し、ECelectronic commerce)サイトを中心としたデジタル市場の強化を図っていきたいと述べられました。

次に、原田氏から本学とアシックスジャパンが行っている連携事業について説明されました。その大前提とし、いまやアマチュアスポーツにおける市場規模の拡大は、国家戦略といえ、「ゴールデン・スポーツ・イヤーズ」も踏まえ、この好機をマーケットの拡大だけでなく、新しいスポーツビジネスの創造につなげていきたいと述べられました。アシックスジャパンは、これまで本学以外にも大学と連携事業を展開しており、このような大学との連携によって、「アシックス」というブランドに学生が触れるためのタッチポイントを生み出すだけでなく、大学と企業の双方が有する資源を掛け合わせ、そのシナジーによって両者のブランディングを図りたいと述べられました。

また附属校や大学、とりわけ、体育会運動部との連携を図りながら、「スポーツ」という文化について考える機会を生徒や学生と一緒になって創造し、地道ではあるものの、学園全体における「スポーツ文化の醸成」にこれからも貢献したいと述べられました。同時に、学生と一緒になり、PBLProject-based Learning)を中心とした授業や、ニーズ探索から企画・運営までの一連のイベントをともにプロデュースするような機会を模索し、この連携事業を軌道に乗せるだけでなく、この取り組みが新たな事業機会を創出することができるようなことを学園とともに生み出していきたいと述べられました。

(ニュース)20200714-5