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2020/10/11 本学部講師・福谷充輝先生らの研究が「Physiological Reports」に原著論文として掲載されました。

本学部講師・福谷充輝先生が、本学部教授の伊坂忠夫先生、長野明紀先生、本学部講師の寺田昌史先生、本学部助教の菅唯志先生、大塚光雄先生、日本体育大学大学院体育科学研究科博士後期課程2回生の上野弘聖さん、本研究科博士課程後期課程4回生の高尾憲司さん、本学OBの三宅悠斗さん、本学部4回生の鶴原結女さんと共同で取り組まれた研究が、「Physiological Reports」に原著論文として掲載されました。

私達が膝を伸ばす時やつま先立ちをする時は、複数の筋が協調してその動作が行われます。この動作を詳細に分析する時、複数の筋が発揮した力を個別に計測したいという場合があります。しかしながら、この各筋が発揮した力を個別に計測することは困難なため、複数の筋の発揮した力の合算である関節トルクを計測し、この関節トルクを各筋のサイズに応じて振り分ける、という方法が採用されています。この方法を行うためには、各筋のサイズ (比率) を知る必要がありますが、この比率を算出するためにはMRIという非常に高価な機器を使う必要があり実施が困難ですので、過去のMRIを用いた研究によって得られた比率が多くの研究で採用されています。しかしながら、もし仮に個人間で比率が異なるのであれば、この方法で算出された値は間違った値になってしまいます。この点に関し、速筋と遅筋はトレーニングによる筋肥大率に違いがあると考えられており、トレーニングによって筋肥大した人とそうでない人では、特定の筋が選択的に肥大することによって、各筋の大きさの比率が異なる可能性があります。これを検証するため、トレーニング状況の異なる被験者を対象に各筋の大きさの比率を比較したところ、被験者によって各筋の比率が異なることが明らかになりました。この結果は、“筋サイズの比率は全ての人で同じ”という前提に基づいて行われた先行研究の結果は再検証する必要性があることを示しており、個々の値を実際に計測することの重要性を示しています。

 

Atsuki Fukutani, Yume Tsuruhara, Yuto Miyake, Kenji Takao, Hiromasa Ueno, Mitsuo Otsuka, Tadashi Suga, Masafumi Terada, Akinori Nagano, Tadao Isaka (2020). Comparison of the relative muscle volume of triceps surae among sprinters, runners, and untrained participants. Physiological Reports (Published Ahead of Print) doi: doi.org/10.14814/phy2.14588

 

Journal website:

https://physoc.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.14814/phy2.14588

(ニュース)20201012-1