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ゲスト講義実施報告(政策研究大学院大学 Ian KARUSIGARIRA様)

「 Professional Workshop 」(担当教員:山田真弓先生)の授業にて、政策研究大学院大学のIan KARUSIGARIRA先生をゲスト講師としてお招きしました。

イアン先生①

ウガンダ出身で、日本の国立大学院大学(GRIPS)で教鞭をとるゲストスピーカーのイアン博士。今までの学生生活において、アフリカ大陸からの先生に会ったことがある学生は3人しかおらず、またほとんどの受講生がウガンダの地理やその周辺諸国を正確に把握していなかったため、イアン博士の講義は、ウガンダの首都にあるマケレレ大学での学生時代の話から始まりました。

イアン博士はまず、ウガンダの大学の講義は常に1000人以上の学生でごった返していて、教授との距離も遠すぎて、講義が聞こえない、教授が見えない(誰かわからない)ことも珍しくないことを話し始めました(学生は大爆笑)。それでもとにかく、試験に合格して大学を卒業することで、次のステップに進むことができると信じていたと言います。

イアン博士には兄弟姉妹が合計10人いて、彼は末っ子であったことから、学費は自分で捻出するのが前提であり、まず警察官となって、働きながらトレーニングを受けて日本で修士・博士号を取った生い立ちに学生は熱心に聞き入っていました。
また、ウガンダでは、社会科学よりも自然科学や経済学を学ぶ方が良いという信仰(特に両親)がある一方、イアン博士は「自分のやりたいことを大事にして選んだ」と、社会科学という学問の学際的な魅力や柔軟性を学生に伝えていました。

現在、イアン博士は、自分と同じ大学で学んだ友人のキャリアを分析するリサーチも行っており、それぞれの人が、必ずしも取得した学位に縛られて現在の職業につくわけではなく、社会学の専門家がクリニックを経営し成功している事例や、イアン博士自身も「私は今は大学教授だが、ウガンダの大統領になることが本来の目的である。」と、キャリアは必ずしも一つのゴールで終わるものでもなく、また、そのように設定する必要もないと学生に伝えていました。
学生からは、日本で戸惑ったことや文化の違いで困ったことはないのか等、多くの質問もあり、対話が続きました。このようなワークショップを通じて、学生らとイアン先生はすっかり打ち解けたようで、講演の後も学生らとイアン博士、教員の楽しい対話が続きました。

第二回目のワークショップですが、ワークショップの終了後、学生らが自主的にゲストスピーカーと交流する姿が見られたのは、教員としてはとても嬉しいことでした。

イアン先生②