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ゲスト講義実施報告(UNFAO顧問 兼 独立行政法人国際協力機構(JICA)国際協力専門員 三次啓都様)

「国際連合入門」(担当教員:石川幸子先生)の授業にて、2020年12月まで4年半にわたり国連食糧農業機関(UNFAO)の事務局長補としてローマの本部に勤務され、現在は、UNFAOの顧問兼、独立行政法人国際協力機構(JICA)の国際協力専門員として活躍されている三次啓都氏をゲスト講師としてお招きしてUNFAOの仕事について講義を行っていただきました。

6.30三次様(アップ)

まず、国連システム内のFAOの位置づけと、専門機関の役割と機能について説明があった後、FAOが担当する業務について講義が行われました。
FAOはSDGsのナンバー2,5,6,12,14並びに15を重点的に担当しており、”ゼロ・ハンガー“と”ゼロ森林破壊“を掲げて環境・社会・経済の循環を重視しながらプロジェクトを実施しているとのことでした。

次に、喫緊の課題である食糧安全保障については、どれだけ食糧があるか、それにアクセスできるのか、加工できるのか、安定的に供給できるのかの4点が重要であり、特に、COVID-19で物理的、経済的に食糧にアクセスすることが困難になったとともに、現在では世界の紛争が食量危機の最大の原因になっているとの説明がありました。

最後に、森林伐採について、アジアやヨーロッパでは森林面積が増えているのに対し、アフリカと南米では劇的に減少しているとの説明があり、その80%の原因は農業であるとの指摘がありました。

6.30三次様(全体)

授業終了後には、多数の学生が質問の列に並びました。彼らの質問は森林伐採の現状、食料危機の現場での国連職員の役割と心構え、FAOの職員になるための準備等、学生の質問の内容は多岐に渡っていました。
FAOの内部で仕事をした経験に裏付けられた講義は大変興味深く、学生たちの好奇心と学習意欲を刺激するものでありました。