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ゲスト講義実施報告(国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)織田靖子様)

「Itroduction to UN」(担当教員:石川幸子先生)の授業にて、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に勤務されている織田靖子様をゲスト講師としてお招きし、“Working with the UN”というタイトルで講義を行っていただきました。
織田さんは、1992年にJPOとしてザンビアで勤務したのを皮切りに、その後モザンビーク、エチオピア、モンテネグロ、パキスタン、ウガンダなど、多くの赴任地で経験を積まれており、2016年から2020年まで中央アジア地域事務所の所長でらっしゃいました。
講義は、まず、国連の基礎から始まり、学生たちにとっては授業の復習にもなりました。

織田様(アップ2)

UNHCRの話では、その成り立ちから、業務の内容まで多岐に渡りましたが、特に、ウガンダ国内の南スーダン難民キャンプでの仕事や、南スーダン帰還民の定住の取り組みなどが写真と共に紹介され、臨場感溢れる授業となりました。UNHCRの現状では、世界137か国に活動拠点を構え、約18800人のスタッフが勤務しているとのことです。また、毎年、想定された予算額の50%しか国々からの資金援助が集まらず、常に資金不足の状態でのオペレーションを余儀なくされているとの報告もありました。
(UNHCRの予算は、国連の通常予算とは別に各国の拠出金で成り立っているため)。

織田様(全体1)

難民問題も関連するSDGsについては、各国で活動する国連機関が共同でUNカントリー・チームを組み、それぞれの専門性を持ち寄って協力しながら対応しているとの話がありました。
学生たちは、世界の難民支援の現場の話を興味深く聞いており、UNHCRと庇護国の関係(ノンルフルモン原則)や難民とキャンプ周辺の住民との摩擦の問題など多岐に渡っていました。
国連ファミリーの活動は多面的であり、時として矛盾をはらんでいることがあります。学生たちにとっては現場の様子を知ることで国連活動の意義と課題を考えることになり教育効果は大きかったと思います。