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ゲスト講義実施報告(国際交流基金 日本研究部部長 原秀樹様)

「プロフェッショナルワークショップ」(担当教員:石川幸子先生)の授業で、国際交流基金にて日本研究部部長として勤務されている原秀樹様をゲスト講師としてお招きし、講義を行っていただきました。

原様(ゲストスピーカー:アップ2)
 
今回は、「自分だけの真実と新しい日本論」というトピックでワークショップ型の授業を実施していただきました。
まず、前段として国際交流基金の業務と国際協力における役割について基本的な情報が共有されました。国際交流基金は、1972年に創設され、現在、日本以外では24か国に25の事務所を構えています。 基金の仕事は、アートと文化の交流、海外における日本語教育の普及、並びに日本研究とその分野での知的交流の3つに分かれています。
その後、ワークショップ型の授業に切り替わり、グーグルフォームを使用して学生たちの意見を集約するなどのテクニックを使用されながら、学生たちに考えさせる授業を展開されました。「自分だけの真実」を見つけることは世界の人達と共に創る新しい「日本論」に繋がっていくという原氏の持論に基づいて、まずは、「自分だけの真実」とは何かについて考えました。これは、自らが時間をかけて観察した結果であると言えますが、しかしそれは物事の一側面でしかなく、事実の全容解明には、多くの人の協力が必要になります。だからこそ、各人が自分の真実を持つべきだという理論でした。
個人(individual)はin(否)とdividual(分ける)から成り立っており、自分には多くの側面がある「分人」という考え方が基本にあます。このような認識にたてば、外国の人々も多面性を持っている個人であり、新しい「日本論」は、より多面的な理解、より共感しやすい、そして比較可能な有用性を持つものになり、日本人のみならず世界の人々にとって役に立てるという認識が示されました。

原様(ゲストスピーカー:アップ)

学生たちは、「自分探しをするのは無駄。それよりも自分の中の多様性を認めることが、ひいては他国・ 他人の多様性も認めることに繋がり、新しい日本論を生み出す原動力になる」という「分人」という考え方に驚き、かつ共感していたようでした。最終的には、日本研究は、海外の研究者も含め多くの側面からアプローチすることで、全体像が見えてくるのだという原氏の見解に日本研究の奥深さを感じていた様子でした。