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ゲスト講義実施報告(国際交流基金 日本研究部部長 原 秀樹様)
「プロフェッショナル・ワークショップ」(担当教員:石川幸子先生)の授業にて、国際交流基金 日本研究部部長の原 秀樹様をゲスト講師としてお招きし講義を行っていただきました。
今回の授業は、「自分だけの真実と新しいに本論」というテーマで講義を行っていただきました。まず初めに、国際交流基金の業務内容、及び国際協力における基金の役割について説明がありました。1972年に創設された国際交流基金は、芸術と文化の交流、海外における日本語教育の普及(日本語教師の派遣と共に各国の日本語教師の能力強化)、並びに日本研究と日本研究における知的交流(個人のフェローシップ及び各国の日本研究機関への支援)の3分野に特化しているとのことで、それぞれの分野における具体的な事業の説明がありました。
その後「自分だけの真実」についてGoogle Formを使用したワークショップに移行し、
学生たちに考えさせる授業を展開いただきました。「事実」と「真実」について学生たちに具体的な例を提示して質問した後、「事実の一側面が真実である」との結論に導びかれました。自らが時間をかけて観察した結果は「真実」であるが、それは物事の一側面でしかない、「事実」の全容解明には多くの人の協力が必要である、との説明がありました。
一人の研究者がたどり着けるのは、その人の真実のみであって、実態はあらゆる方面から見てみないと分からないものである。その観点から、海外の日本研究者の支援は、日本人が考えている「自分だけの真実」から、その全容に迫ろうとすることで「新しい日本論」(より多面的な理解、より共感しやすく、より比較可能で有用な)を導き出そうとする努力であることが説明されました。
学生たちからは、「文化相対主義と原さんの考え方はどのように違うのか」などの質問が出され、質の高いインタラクティヴな授業となりました。