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ゲスト講義実施報告(早稲田大学社会安全政策研究所・招聘研究員、損保ジャパン・顧問 世取山茂様)
「プロフェッショナル・ワークショップ」(担当教員:石川幸子先生)の授業にて、元警察庁で国際犯罪業務及び国際協力に携わってこられた世取山茂様をゲストスピーカーとして招聘し「国際犯罪と警察の国際協力」について講義を行っていただきました。
講義では、まず、警視庁と警察庁の違いについて学生たちに尋ねられましたが回答できる者はいませんでした。「警視庁」は東京都の警察業務を行う一方で、「警察庁」は国の機関であり国家公務員となります。
警察による国際業務は、外国捜査機関との連絡・調整・交渉と、国際協力の2分野に分類されるとのことです。世取山様からは、自らが関与した国際業務について具体的かつ丁寧に説明があり、普段、報道だけでは分からない細部の情報と共に、警察がどのように動くのかについても知ることができました。
外国捜査機関との連絡・調整・交渉の分野では、リビア政府によるパンアメリカン航空103便爆破事件について触れ、日本人も同乗していたことから国際共助要請を出したという話や、天皇在位60周年記念金貨偽造事件についても、各国の調査機関との連携を行った話まで、大変興味深いものでした。
また、国際協力の分野では、東ティモールでの国連PKO(UNMIT)に参加した際には、助言・指導・監視が業務であったため、PKOのトップや東ティモール政府関係者への助言が主な業務であったとのこと、政府開発援助でフィリピン国家警察犯罪対応能力向上プログラムでは、指紋による調査技術の向上等について携わってきたとのお話がありました。
学生からの質問にも丁寧に対応くださったあと、最後に、警察庁に努めるには国家公務員試験に合格した後に、警察庁を志望・訪問することになること、また、自ら国際業務に就きたいと言っても、必ずしも望むポストに就けないのが組織で働くということだが、英語の能力の高さが認められれば、可能性は広がるとのお話でした。