TOPICS
ゲスト講義実施報告(ノースカロライナ州立大学の宗教学者 レヴィ・マクローリン様)
「Japanese Culture」(担当教員:山口智美先生)の授業にて、ノースカロライナ州立大学の宗教学者・レヴィ・マクローリン様をゲスト講師としてお招きし、オンライン(Zoom)にて講義を行っていただきました。
ノースカロライナ州ローリーからオンラインにて講義してくださったマクローリン先生は
授業が始まる前から個々の学生に声をかけて名前を聞いたり、どこから来たかを聞いたりとスクリーン越しですが積極的にコミュニケーションをとってくださいました。
学生たちはマクローリン先生と山口先生が共同で編集したAsia-Pacific Journal, Japan Focusの特集”Behind the Scenes of Media and Legal Responses to the Abe Assassination”を読んだ上で授業を受けました。
そしてマクローリン先生は、日本の文化と宗教について、そして宗教と政治との関わりについて講義をしてくださいました。
日本人はアンケートなどで問われると複数の宗教を信仰していると回答することもよくあります。信仰するのは一つの宗教が普通だと考えている文化背景の人には理解が難しいかもしれませんが、多くの日本人にとって、仏教や神道は欧米的な意味での「宗教」というより、むしろ「文化」「伝統」のようなものであることも多く、結婚式は神道で、葬儀は仏教で行うなど、さまざまな「宗教」が文化として生活の中で実践されていることも多いという説明がありました。
そこから、2022年の安倍元首相銃撃事件以降注目を集めてきた、政治と宗教の関わりについての話に展開していきました。特に課題文献のテーマであり、メディアなどでも注目を集めてきた旧統一教会と政治との関わり、オウム真理教による地下鉄サリン事件の日本における宗教への忌避感への影響、マクローリン先生が長年ご研究されてきた創価学会などについても事例としてお話しいただきました。
「こんなに面白く興味深いオンラインの授業は初めて!」という感想が授業後に学生たちから出ていました。オンラインにもかかわらずインタラクティブな授業となり、学生からの質問もいくつも出ました。
学生たちはマクローリン先生の授業、日本における文化、伝統としての宗教という考え方や、それにもかかわらず宗教が政治に関わり、影響を与えてきたということについて関心を引き立てられたようで、授業後にはmoodle+Rのディスカッションボードでも議論が続きました。