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ゲスト講義実施報告(JICA(国際協力機構)関西センター 次長 今井健様)

「プロフェッショナルワークショップ」(担当教員:石川幸子先生)の授業にて、JICA(国際協力機構)関西センターに勤務されている今井健様をゲスト講師としてお招きし講義を行っていただきました。

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今回の今井様の講義は「国際協力にかかる考え方」が学生にとって“目からうろこ”となり今後のゲスト講師の方々の講義の基礎となると考え、今年度一番最初のプロフェッショナルワークショップのゲスト講師として招聘しました。
その考え方とは、「国際協力は、共創、還流の発想から成り立ち、ビジネスとして捉えるべきである」というものです。一般的に、学生たちが憧れる国際協力とは、貧しい国や地域に対して援助を行うというものですが、そこには、相互依存関係にある国際社会の共創・還流の視座が抜け落ちています。

ゲストスピーカー(4.18今井様)3

今井様の授業は、まず「国際協力とは何か」に触れ、グローバル化した社会において人・モノ・金が国家間で自由に移動する現代社会において、世界の人口の85%が暮らす途上国と日本は密接に繋がっていることを貿易と援助の還流の視点から説明されました。
これは、ODA大綱でも明確に述べられており、貿易関係の促進、人道的配慮と地球的規模の課題解決、並びに相互依存関係の促進が日本のODAの3つの柱となっています。これらは、SDGsに繋がる考え方です。

次に「日本の国際協力の体制とJICA」についての説明がありました。
ODAは、二国間協力と多国間協力がありますが、その内のJICAは二国間協力を担当し、実施モダリティには技術協力、有償協力、並びに無償協力があります。
国際的にODAによる援助量が減る中、その減少部分を補完するのは、民間ビジネスであり、現在、JICAも民間連携事業を促進しており、日本の中小企業・SDGsビジネスを支援していると説明がありました。これによって、途上国にとっては援助漬けの悪循環を回避することができるとのことです。

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毎回、授業の最後は学生にレポート課題を与えてもらっていますが、今回の課題は「タンザニアのムトワラ州マサシ県においては、女性の就学率が低いため改善して欲しいという要望がタンザニア政府から日本に通知された。自分なら、どのように女性の就学率を上げるのか?」というものでした。
レポート執筆の前に、授業ではこの課題についてグループ・ディスカッションを行って、学生間で議論を行いました。授業後、何人もの学生が個人的に今井様に質問を行い、キャリア相談であったり、国際協力について、いろいろな現場の話を伺うことができたようでした。