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ゲスト講義実施報告(元キャリア外交官 二階堂 幸弘様)
「プロフェッショナルワークショップ」(担当教員:石川幸子先生)の授業にて、元キャリア外交官の二階堂幸弘様をゲスト講師としてお招きし講義を行っていただきました。
講義の冒頭では、受講生二人でペアを組んで英語で自己紹介を行った後、クラス全員に向けて自分が組んだペアを英語で紹介する(その際には必ず相手を褒めること)というエクササイズを行った。終了後、「外交も結局は人と人とのつながり」であり、自己紹介には聴く相手が聞きたいと思う内容を盛り込むことが重要であり、相手に質問することはコミュニケーションの機会を提供するものであるという二階堂氏ご自身の経験に基づいたアドバイスがあった。
次に、ご自身の外交官人生における仕事の内容や勤務地のお話を中心に自己紹介があった後、日本外交の目的(日本の国益を守って高める、及び世界平和に貢献する)と日本外交の最近の特徴(日本及び日本文化を世界に紹介すること、国民のための国民による外交など)について説明があった。
二階堂氏が考える外交とは、一言でいえばDiplomacy for the people by the peopleである。日本文化については、外国の日本に対する関心の変化に伴って、対象が車や家電といった物から文化を経て心や自然に変化しており、行動様態も鑑賞から参加・体験型に変化しているとの指摘があった。これらの変化に対して、日本側では対応するメカニズムと人材の不足が課題となっているとのこと。最近では、日本企業支援も外務省の仕事となっており、以前はご法度であった特定の企業支援も現在は積極的に行っている。また、外交の仕事には日本国内のパートナーとの協力関係が必須であり、JICA, 国際交流基金、JETRO, JNTO等との連携協力によって幅広い分野に対応しているとの説明があった。
将来、外交官をはじめとする国際社会での活躍の場を模索している学生のためにも、在外公館の種類と業務内容、大使館の組織、外務省職員の待遇と採用など、学生たちが就職との関係で知りたい内容について、給料の話題等も含めてざっくばらんな話があった。
最後に、二階堂氏ご自身の経験から、どんな相手もリスペクトし、ユーモアのセンスと笑顔を持ち、日本と日本文化を知ることが重要であると学生たちにアドバイスを行った。また、長期的視野に立って、将来、修士号を取得することを勧めるとのことであった。Q&Aセッションでも学生たちからは多くの質問が投げかけられ、外務省職員を目指す学生にとっては、多くの情報とモチベーションが得られる授業であった。