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ゲスト講義実施報告「自分だけの真実の見つけ方・伝え方」(国際交流基金 国際対話部長 原 秀樹様)

「プロフェッショナル・ワークショップ」(担当教員:石川 幸子)にて、国際交流基金 国際対話部長の原 秀樹氏をお招きして「自分だけの真実の見つけ方・伝え方」というテーマで講義を行って頂いた。

ゲストスピーカー(7.4原様)

1972年に創設された国際交流基金は、芸術と文化の交流、海外における日本語教育の普及(日本語教師の派遣と共に、各国の日本語教師の能力強化)、並びに日本研究と日本研究における知的交流(個人のフェローシップ、及び各国の日本研究機関への支援)の3分野に特化しているとのことで、それぞれの分野における具体的な事業の説明があった。

その後、「自分だけの真実」についてGoogle Formを使用したワークショップに移行し、学生たちに考えさせる授業を展開した。「自分だけの真実」とは、自分からはこう見えた(I believe)、自分はこう感じた( I feel)という、嘘偽りのないことと理解すればよいが、それには3つの条件がある(①自分自身で観察した結果でなければならない。②事実の一側面でしかないことを認識する。③事実の全容解明には全方向からの意見を聞く必要がある)。
ゆえに真実は人の数だけある。これを個人という自分で考えると、平野敬一郎が言っているようにin(否)+divided(分ける)ゆえに多くの側面を合わせたものが自分であることを理解すべし。自分が”I believe, I feel”の領域を越えて皆の意見を聞いて、”I think”の段階に移っていくということが大人になることではないかとの問いかけがあった。(かなり哲学的レベルの話ではあった)

ゲストスピーカー(7.4原様)2

学生からの「日本の曖昧さについてどのように考えるか」という質問には、「日本には“ほどほど”という概念があって、はっきりとNOと言わないことで平和に生きていけることが、世界から見直されている。日本の弱みだったものを境の現状の中で使えるのではないかと、我々が気づかないところで見ている人たちがいる」との言及があった。
国際交流基金で外国の日本研究者たちとの交流を促進している原氏ならではの授業となった。