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ゲスト講義実施報告(元世界銀行・IMF開発委員会幹事 小寺 清様)

「国際連合入門」(担当教員:織田靖子先生)、「Introduction to the United Nations」(担当教員:石川 幸子先生)の授業にて、元財務省官僚で世界銀行・IMFの開発委員会で幹事の経験を持つ小寺 清様にお越し頂き、講義を行っていただきました。

「国際連合入門」では「世界の貧しい人々の生活向上と地球大の諸課題への対応をどう進めるのか? 世界銀行グループの仕事」というテーマの下、開発途上国の現状、小寺氏自身がどのように国際金融・開発の分野でのキャリアを積んでいったのか、現場での具体的な仕事内容、および今後の課題等についてお話しいただきました。

ゲストスピーカー(11.20 小寺様)①

「Introduction to the United Nations」では、広く開発銀行の役割、課題等についてお話しいただきました。現在、国際社会が抱えている開発課題について説明いただき、MDGs及びSDGsの取り組みを経ても世界人口の10%が貧困ライン以下の生活を強いられていること、紛争影響地域の増加、並びに地球温暖化の問題が開発アジェンダの中でも最優先になっている現実を再確認しました。

そのような地球的課題に対応することが急務であるにも拘らず、政府開発援助(ODA)の比率は年々減少しているという現実に直面している中、IFC, MIGA,EBRD,IDB等がプライベートセクターへの投資を行っている他、アフリカ開銀やアジア開銀もプライベート・キャピタルを動員する動きが活発化しているとの取り組みが紹介されました。

ゲストスピーカー(11.20 小寺様)②

開発機関としての開発銀行の役割は、1)金融機関として資本市場において民間資金の活性化を図る;2)テーマ別よりも各国の状況に合わせたオペレーション;3)ナレッジバンク機能;4)会議開催の招集力の4つに分類されます。
国連との関係では、世銀グループは、専門機関(specialized agency)に分類されます。

講義の最後は、小寺氏ご自身が、世銀の中央アジアのカントリー・ディレクターとして勤務した経験を中心に、世銀グループでの勤務についてお話しいただきました。
カントリー・ディレクターとして気を付けていた点として、様々な専門性を持ったスタッフをまとめ上げるチームビルディング、国の首脳たちとの交流、交渉、彼らの声に耳を傾けること、任務遂行と説明責任を果たすこと等が挙げられました。
講義後には、様々な質問を学生たちが投げかけられ、普段、あまり馴染みのない世銀グループの話が身近に感じられるようになった講義となりました。

ゲストスピーカー(11.20 小寺様)③