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ゲスト講義実施報告(株式会社ファーストリテイリング グローバルマーケティング部長 岡野 まかみ様)
「専門演習」(担当教員:大山 真司先生)の授業にて、集英社で『BAILA』編集長として雑誌文化の最前線を担い、その後ユニクロでグローバルマーケティングを率いた岡野まかみ氏を迎え、メディア・ファッション産業の30年にわたる大きな変化について講義いただきました。
1990〜2000年代の雑誌黄金期、広告収入を基盤としたビジネスモデル、そしてスマートフォン普及・SNS・UGC台頭による生活スタイルと情報接触の劇的な変化が具体的なデータとともに示され、学生は「雑誌が“教科書”だった時代」がなぜ終わり、どのように多様化へ向かったのかを理解することができました。
また、岡野氏はユニクロでのオウンドメディアやライブコマース立ち上げの経験を紹介し、旧来の出版社モデルとデジタル主導のマーケティングの双方を横断してきた自身のキャリアを「変化の時代に必要なレジリエンスの実例」として提示されました。
特に「一つの専門性に閉じず、環境変化を学び続けることがキャリアの幅を広げる」というメッセージは、学生に強い印象を残しました。
学生からは「私はファッション誌を読むが、その背景にある編集方針や広告の構造を理解出来た」「インフルエンサーや販売スタッフがメディア化するファッション業界の変容がよく理解出来る」などの声が寄せられました。
自身のメディア経験と本日のお話を結びつけることで、メディアやカルチュラルスタディーズの学びが実社会の変化とどのように接続するかを体感することができた今回の講義は、理論と実務を往復する大山ゼミの教育方針の核心を実感する機会となりました。