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ゲスト講義実施報告「言語化・核の支配・抵抗」(デュポール大学 宗教学部教授 宮本 ゆき様)
アメリカ・デュポール大学の教授で倫理学者の宮本ゆき先生を「専門演習」(担当教員:山口 智美)の授業にお招きし、「言語化・核の支配・抵抗」と題したご講義をいただきました。
宮本先生は核問題をご専門にされていますが、本講義ではその枠を超え、「言語化」がなぜ必要なのか、それが私たちのものの見方や理解をどのように形づくっているのかについて、幅広い観点から考察がなされました。
同時に言語化が差別や支配にもつながりうる側面があることや、認識や名付けの非対称性についても論じられました。
被ばく者差別やセクシュアル・ハラスメントを事例に、現象を表す言葉がないことで被害に気づけなかったり、周囲に伝えられなかったりする状況があることが示されました。一方で、知識は状況化されたものであり、誰が、どの立場から言語を用いるかによって、意味や価値づけが決められてしまう可能性もあることも指摘されました。言語による抵抗だけでなく、「言語化」に抵抗すること、言語以外のアートや身体表現などの方法もまた重要な抵抗であるということも示されました。
抽象的で高度な内容も含まれる講義でしたが、宮本先生は具体的な事例を使いながら、とても丁寧にご説明くださいました。学生たちは真剣に宮本先生のご講義を聞き、理解を深めるために質問も活発に行っていました。授業後のコメントからは、学生たちがそれぞれの興味関心や卒論テーマなどと宮本先生のご講義をつなげて考察を深めていることが伺えました。
来年度のデュポール大学の学生さんたちと山口ゼミとの交流の可能性についても話題が展開し、今後のゼミの展開も見据える貴重な機会となりました。