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ゲスト講義実施報告(大谷大学非常勤講師 徐希寧様)

「文化交流史」(担当教員:中本 真生子)の授業にて、徐希寧さんをゲスト講師としてお招きし、自身の研究対象である「近代朝鮮民謡舞踏」について、「文化交流」と「文化変容」、さらに「超越」と「融合」をテーマにお話しいただきました。

ゲストスピーカー(12.16 徐 様)①

授業の前半では、日本による朝鮮半島の植民地下で朝鮮半島の民族舞踏が 1.宮廷の解体により宮廷舞踏と民族舞踏の融合が起こったこと、2.日本経由で西洋の現代舞踏(モダン・ダンス)の要素が導入され、「近代朝鮮民族舞踏」が成立したことが説明されました。
特に、日本の舞踏家に師事し、日本で高く評価された舞踏家、崔承喜の来歴と舞踏の特徴、そして彼女への評価が「日本から植民地に注がれるオリエンタリズム的眼差し」を内包していたことが示されました。

授業の後半では、1945年の日本の敗戦・朝鮮の独立とそれに続く分断の中で、日本に残された在日コリアン(特に総連系)の人々が、自身のアイデンティティ維持のために、この「民族舞踏」を、朝鮮学校の舞踏部を出発点として体系的に継承されてきたこと、さらにその「民族舞踏」が、北朝鮮の支援と影響下にありながらも徐々に独自性を獲得し、「創作舞踏」という、日本に生きる在日コリアンの学生たちの経験や生き方を題材とした「新しい民族舞踏(在日コリアン民族舞踏)」が形成されていることが紹介されました。

ゲストスピーカー(12.16 徐 様)②

さらに、この「在日コリアンの人々の民族舞踏」が韓国舞踏の要素を取り入れるといった、新しい融合が見られること、また日本女性が韓国舞踏教室に通って韓国舞踏を踊る、といった動きもみられることから、日本という場で朝鮮民族舞踏のポストコロニアル状況が乗り越えられようとしている、という展望も語られました。

学生たちは、これまで自分たちが「朝鮮民族舞踏」について知識がなかったことに驚き、また強い興味を持って授業に取り組んでいました。授業後のレポートからも、今回の授業が様々な形で日本の中のオリエンタリズムおよびポストコロニアルを深く考えるきっかけになったことが読みとれました。