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2014年度第3回国際関係学部研究会を開催しました

7月8日(火)の17:30〜18:30に、2014年度第3回国際関係学部研究会が恒心館733教室で開催されました。今回、日本史・日本政治・日本と米国との関係がご専門のフレンチ トーマス ウィリアム先生(本学部准教授)は、最近出版された「National Police Reserve: The Origin of Japan's Self Defense Forces」(『警察予備隊-日本の自衛隊の起源』)という自書に注目し、ご発表されました。 先ず、フレンチ先生は先行研究に注目しながら、実証が少ないにもかかわらず警察予備隊を軍隊として位置づける一般的な傾向があることを解明しました。この限界を乗り越えるため、先生は主に国立国会図書館にて収集された資料の大量を紹介しました。また、冷戦に対する懸念、準軍事組織的警察(constabulary)モデル、米国における保安についての議論などのような国際的要素と、日本政府の保安概念・国内保安に関わる脅威に対する認識・朝鮮戦争の影響などのような国内的要素を検討し、これらが警察予備隊の作成に大きい影響を与えたと論じました。なお、警察予備隊の性格、組織・作戦的側面と共に、警察予備隊と旧大日本帝國陸軍・海軍、警察との関係を分析しました。最後に、1952年に行なわれた警察予備隊の保安隊への改組を検討し、それと自衛隊との連続性を解明しました。