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ゲスト講義実施報告(元外務省職員:二階堂幸弘様)

元キャリア外交官であり現在は複数の大学の講師を務めている二階堂幸弘氏をプロフェッショナル・ワークショップ(公務クラス)の授業にお招きして、外交・外交官の仕事について講義を行って頂いた。

まず、外交官としての資質は、a good communicator and connecterであることが最重要であるという。そのため、自己紹介は良い訓練になるとして、受講生一人ずつに自己紹介を求めた。

その後、二階堂氏が赴任していたオーストラリアとスイスの話でウォーミングアップをしてから、外交の話に移った。日本外交の目的は、国益の保持と拡大、及び国際社会への貢献であるという前提の下、近年は日本・日本文化(本当の日本の美)を世界に紹介すること、及び日本企業の海外進出のプロモーション等が、新たな外交の仕事に加えられた。これには「国民のための国民による外交」が必要であり、職業外交官という狭義の外交の仕事のみならず、全ての民間人が外交官であるという話が印象的であった。

講義後の質疑応答では、外交・外交官に関する一般的な質問に加え、なぜ外交官を目指したのか等の質問にも丁寧に回答頂いた。特に受講生たちの心を捉えたのは、「外交を支えているのは人と人とのコミュニケーションであり、相手との信頼関係を築くことができれば仕事も楽しくなり、何かあれば助けてもらえる。個人関係の積み重ねが外交の本質である」という部分であった。

また、英語に関して、どの程度の能力が求められるのかという質問に対しては、「日本人は日本人の英語で良い。重要なのは、何を話すのかである。コミュニケーション能力とは交渉力であり、英語はその一部」とのこと。授業終了時に、学生たちは皆、真剣は表情で自分の将来を考えてチャレンジしようという姿勢となっていたのは大きな教育効果の表れであろう。