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ゲスト講義実施報告(多文化共生センターひょうご・代表:北村広美様)

専門演習(園田節子先生担当)にて、「多文化共生センターひょうご」の北村広美代表をゲスト講師としてお招きしました。

ゲスト(北村氏)園田先生

 同センターは神戸市東灘区で長年、外国人住民の多様な生活支援に取り組み、2021年3月に神戸新聞主催の地域再生大賞優秀賞、同年7月に第16回国際ソロプチミスト神戸東クローバー賞を受賞されました。

北村代表の講義は、ダイナミックな語りと論理的な構成であり、日々の経験を要所に交えつつ、在日外国人の社会保障と保健医療の権利に焦点を当て、日本の法整備や制度の現状と具体的な問題、NGOによる支援の取り組みから見えてきた課題、といったトピックを学びました。

ゲスト(北村氏②)園田先生

日本にはそもそも外国人を保証の対象とした法そのものが存在しないという実態があり、外国人住民が向き合う困難には現行法の運用や準用を継ぎ接ぎしながら乗り切っている現状があります。
そうした歪みに加えて、日本社会には、外国人が日本の医療保険予算を圧迫している、あるいは医療費の未払いが増えるので受診をさせたくないなど、外国人住民の社会保障に関していくつかの誤解があります。講義では、こうした歪みや誤解も紹介され、丁寧な反証がおこなわれました。

授業の最後には、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジや「平等equalityではなく公平equityを」などのグローバル基準からの有効な考え方が提示されました。