留学体験者の声

P.N. 文龍

留学先
南京大学
留学中

留学体験レポ

みなさんこんにちは、現在南京大学に留学中の文龍です。南京に来て、もうかれこれ半年経ちます。月日が過ぎるのは早いものです。これを読んでくださっている方の中には、中国留学を考えている学生さんもいることと思います。
私が中国留学を考え始めたのは、高校生のときでした。きっかけは吉川英治氏の『三国志』。この小説によって、中国に対する見方も人生も180度変わってしまった私は、立命館大学中国文学専攻に進みました。大学に入ってから、毎年中国に短期間ですが来る機会に恵まれました。でも、「語学をやるなら、やはり本場で一度は生活してみないと」「もっとたくさんの中国人と仲良くなって、彼らを知りたい」と思い、大学三回生の夏に立命館大学の交換留学制度を利用し留学しました。

南京は、以前日本が悪いことをした土地ですので、最初は「日本人だからって嫌われたらやだなぁ」と思っていましたが、来てみると意外と親日的なひとが多く驚きました(もちろん、そうでない人もいます)。でも、やはり日本人が少ないせいか、街中で日本語をしゃべっているとジロジロ見られます。そしてよく韓国人に間違われます。やはりナマの日本人はまだまだなじみが薄いみたいです。

南京は大きい都市だけあって、便利です。地下鉄も通っているし、バスも路線が多いです。買い物は主に繁華街の新街口に行くのですが、ほしいものは大概なんでも揃います。市内に観光地もあるし、蘇州・杭州・上海にも近いので、週末旅行にも行けます。ついでに、ごはんもおいしいです(笑)。


大学やクラスに関してですが、普通留学生は留学生に対する中国語教育を専門にする海外教育学院の漢語班に所属して中国語を学びます。
クラスは韓国人の学生が多いですが、圧倒的に欧米人が多いです。対して日本人は少ないです。大体各クラスに1~3人程度しかいません。クラスは中国語のレベルに応じて4つに分かれており、私は前学期A班に所属したのですが、A班の授業はかなりためになりました。
今学期は高級班に参加しています。あと大学院の授業を聴講しに行っています。他の多くの大学では、普通の留学生は中国人本科(いわゆる正規の学部)の授業はタダでは参加できないのですが、南京大学は授業の先生の許可を得れば、聴講できます。これはすごくお得です。

他にも、私は相互学習といって、中国人学生に中国語を教えてもらう代わりに日本語を教える、ということもしています。今は、行きつけのカフェのオーナーから紹介された女子学生といっしょに勉強したり、遊びに行ったりしています。しかし、この相互学習の相手、だれかに紹介してもらうか、自分でなんとか探すかしないと見つかりません。なんてたって、本科の中国人学生とは生活圏が違います。自分からチャンスを求めていかないと、中々交流する機会がありません。私は紹介された子以外は自分で探しました。


留学して、自分が変わったところは、あまりないような気もします。あえて言うなら、なにかにチャレンジするときに人を巻き込むのがうまくなったかもしれません(笑)。少なくとも、やりたいことに勇気を出して挑戦できるようになりました。
そのせいか、最近日中交流会に積極的に参加できるようになりました。企画には加わりませんでしたが、プレゼンを担当しました。
せっかくの留学ですので、残り短いですが、他のことにもチャレンジする予定です。忙しい!でも充実満足。手帳を予定で埋める勢いで行動しないと、一年なんてぼうっとしている間に過ぎてしまいます。

留学するか迷っている方、やらずに後悔するより、やって後悔した方がいいです。いっそ思い切って留学してみてください。そしてナマの中国人と触れてください。
日本人の中には、会ったこと、行ったこともないのに、中国人に偏見を持つひとがいますが、それは事実の一部を取り上げて全てと勘違いしているだけです。中国人にもそういう考え方のひとはもちろんいます。でもその考え方を変えてあげてください。変えるのは、「あなた」です。真の日中友好の一歩は、わたしたち若い世代の草の根からはじまるのです。