研究科長挨拶
All for innovation, innovation for all.
湊 宣明
Nobuaki MINATO立命館大学大学院 テクノロジー・マネジメント研究科 研究科長
未来を構想し、
社会を動かすために
-技術経営に Futurepreneurship という視座を-
社会は今、デジタル化、脱炭素、人口構造の変化、AIをはじめとした先端技術の進展などにより、産業や社会システムそのものが構造的な転換期を迎えています。このような時代において求められるのは、既存の市場や過去の成功事例を前提に最適解を導く力ではなく、将来の社会像を構想し、その実現に向けて価値創造の道筋を設計し、行動へとつなげていく力です。
立命館イノベーションスクールは、2025年より新しいカリキュラムを開始し、その中核概念として Futurepreneurship(フューチャープレナーシップ) を掲げました。Futurepreneurshipとは、単なる起業家精神や新規事業創出能力を指すものではありません。望ましい未来社会の姿を起点に、技術、制度、市場、組織といった複数の要素を横断的に捉え、それらを統合しながら社会的価値を実装していく能力として定義しています。
この考え方の特徴は、価値創造の出発点を「現在の市場機会」ではなく、「将来の社会像」に置く点にあります。将来が不確実であることを前提に、単一の予測に依存するのではなく、複数の未来の可能性を構想し、その中から望ましい未来を選び取り、そこから現在の課題や意思決定を再定義する。この未来起点の思考こそが、Futurepreneurshipの基盤です。
立命館イノベーションスクールの学びは、こうした能力を三つの段階を通じて育成します。
第一に、未来を構想し、問いを再定義する「思考の力」。
第二に、その未来と現在を接続する「設計の力」。
第三に、不確実性の中で試行錯誤を重ねながら意思決定し、社会に実装していく「実行の力」。
これらは直線的に身に付くものではなく、構想と行動を往復する循環的な学びとして設計されています。
さらに、これらすべての学びを貫く価値軸として、社会的価値の創出を重視しています。経済的合理性だけでなく、その意思決定が社会にどのような影響を及ぼすのかを問い続ける姿勢は、これからの時代における経営者やエンジニア、専門職に不可欠な視点です。
大学院で学ぶことは、時間とエネルギーを要する選択です。しかしその学びは、過去を分析する力に加えて、未来に向けて判断し、行動する力を鍛える機会となります。立命館イノベーションスクールは、未来を受け身で待つのではなく、未来に対して構想し、責任ある意思決定を行える人材を社会に送り出すことを目指しています。
未来は、予測するものではなく、構想し、設計し、創り出すものです。
立命館イノベーションスクールで、Futurepreneurshipという新しい価値創造の力を身に付けてください。
All for innovation, innovation for all.
(すべてはイノベーションのために。イノベーションは皆のために。)
