本文へ移動

ニュース

【"ものづくりプロセス"のフィールドワーク】資生堂 工場見学レポートー2025年11月20日(木)

「生産イノベーションマネジメント」(田中邦明教授 担当)の授業の一環として、資生堂大阪茨木工場を見学に行きました。

天候にも恵まれ、阪急 茨木市駅西口バス乗り場付近に参加者10名が集合し、専用バスで出発。
15分あまりで、彩都エリアにある工場に到着。
資生堂大阪茨木工場は真っ白な壁とガラス張りの建物で洗練された建物でした。

建物に入ると、受付・アテンドの方々の出迎えを受け、最初に目に入ったのは、真っ白な内装、 天井の吹き抜け、フロアの中央にエスカレーター、クリスマスツリー。
エントランス空間は、大型ディフューザーから醸し出される工場オリジナルの良い香りがただよっていました。 荷物と上着を預け、Welcome Drinkのミネラルウォーターをいただき、いよいよ、見学へ。

(上図の機械は、大阪茨木工場オリジナルの香りを醸し出す大型ディフューザー↑)

■ジャーニーシアター

「BEAUTY SITE」 PASSPORTというパンフレットが配布され、見学開始。
最初にジャーニーシアターで見学の概略と導入の映像視聴。
万博のパビリオンのようです。

次にエレベーターで生産エリアへ。
(生産エリアは、撮影録音一切禁止)

■化粧品製造エリア見学

ガラス越しの化粧品製造エリアはクリーンエリアで、六つの銀色の製造釜が設置され、いくつかの釜のなかに原香料が調合され、稼働していました。
アテンドの方から釜の種類等の説明をうけ、作業の方が製造途中の品質確認のため、釜底のほうから中身を柄杓ですくい上げて目視で確認する様子を見学しました。
作業スタッフのユニフォームは、静電気を防ぎ、チリやほこりが付着しにくい特殊な素材でできています。これはほこりを現場に持ち込まないためです。
化粧水製造では原料や香料を調合し、攪拌するのに4時間ほどかかるため、多くても1日2回しか稼働することができないそうです。1番大きな釜の1回あたりの製造で5トンの化粧水(ボトルにして3万本)ができます。

■充填・包装ライン見学

充填ライン・包装ラインそれぞれのエリアは、容器に充填した製品をすぐに移動して包装できるよう隣に配置されていますが、ガラスでエリアを区切られており、気圧の高低差による徹底したクリーン管理がされていました。
ラインは、製品の容器形状(ボトル・チューブ・ジャー)によって分類され、ラベル付け、箱詰め等が行われます。
箱詰めされた製品は、段ボール・プラスティックコンテナ等にまとめられ、工場内の自動コンベアシステムに乗せられ、隣接する自動倉庫に配送されます。
包装ラインは、人の手で作業が行われているのですが、多種多様な製品で毎日異なる自動化(機械化)の設定をするほうがコスト高であると判断されたことが理由とのことでした。
ライン見学の中で特に印象的だったのは、コンベア上で横方向から合流する製品の段ボールと衝突しないよう、直進する荷物が一時停止し、合流を優先するよう制御されていた場面です。この一見些細に見える動作の背後には、コンベア、センサー、そして全体を統合する制御プログラムなど、複雑な技術が組み合わされています。 これらが稼働するまでには、設計・調整に多大な労力が費やされたであろうことを強く感じました。
今回見学させていただいた大阪茨木工場は日本国内工場の5拠点の中でも資生堂として生産・物流の融合による効率化で初めて生産から物流の最短化・自動化を実現した次世代型の先端的生産拠点でした。

■ワークショップ(温活講座)

最近、寒くなってきたので、温活講座をしていただきました。
簡単にできる蒸しタオル美容法やマッサージなどご紹介いただいた後、温めたおしぼりと 「ハイブリッドジェルオイル」で自分の手を使ってマッサージ体験をさせていただきました。 (使用した美容液はさすが資生堂の中でもハイエンドブランドのさらなる上位ブランド!)
少しお手入れの体験をしただけで、驚くほど目に見えて肌のきめが整い、つやつやになりました。

■資生堂ミュージアム

資生堂の現在のラインナップ商品の展示(限定パッケージ含む)エリアを見学。
「この中で、一番高額商品はどれだ?」クイズがありましたが、正解者無でした。
(正解は、ウン十万円 の集中トリートメント美容液でした)

■スキンケアスタジオ/ビューティーマルシェ/メイクアップショーウィンドウ

スキンケアスタジオ
(正しいスキンケアの動画を見ながら学べるブース↑)
ビューティーマルシェ
(ハイエンドブランド商品のお試しエリア)
メイクアップショーウィンドウ体験
(舞子はん風メイク・歌舞伎風メイク)

最後は、4つのブースがあるエリアで、自由行動となりました。
思い思いの場所で楽しみしました。
なかなか馴染みのない高級コスメのお試しは日常にはない特別感を体験できました。
昔から資生堂はメンズラインを持っていましたが、近年、業界ではメンズコスメの市場のセグメント拡大が 大きく活性化されてきているとのことです。
(「美容男子」なる用語も一般化されているのがその証拠ですね)

見学者の感想(抜粋)

  • いままで知らなかった新しい資生堂を知りました。
  • 見学を通じて、革新と伝統が共存する企業文化を改めて理解することができました。
  • 売り場で見た商品を工場で直接確認し、製造体制を理解することで、製品に対する評価がさらに高まりました。
  • 資生堂のイメージが変わりました。医療現場と同じクリーン度を保つ品質管理の徹底ぶりに感銘を受けました。
  • さすが資生堂と感じました。生産ラインの責任分担体制を直接見学し、実際の流れを理解できたことは非常に有意義でした。
  • 一連の見学はクオリティが高く、一流の化粧品メーカーの名に恥じない洗練された体験でした。企業の力量を実感しました。
参加者の皆さん、お疲れさまでした

資生堂 大阪茨木工場の皆様、ありがとうございました。

ニュース一覧へ