人機一体・金岡博士(本学客員研究員)のBKC特別講演会を開催
5月17日、立命館大学研究部BKCリサーチオフィスと独立行政法人中小企業基盤整備機構近畿本部は、BKCインキュベータを退去し、新たな拠点でビジネスを展開することになった株式会社人機一体・代表取締役社長の金岡博士(本学総合科学技術研究機構ロボティクス研究センター客員研究員、元理工学部ロボティクス学科講師)のBKC卒業記念特別講演会を開催しました。
金岡博士は、理工学部で教鞭を取った後、BKCインキュベータ内でロボットの開発を進めてきました。金岡博士が代表を務める株式会社人機一体はこのたび事業拡大のために、草津市内に新設する拠点「秘密基地人機一体」に移転することになりました。
まず、理工学部ロボティクス学科・川村貞夫教授(総合科学技術研究機構ロボティクス研究センター長)が、「最近のロボット研究と人機一体」をテーマに挨拶を行いました。川村教授は、「ロボットやAIは最近、大きなブームになっています。今回のロボットブームは、ロボット要素技術であるセンサー、計算機、ネットワークなどが飛躍的な進歩を遂げ、これらの統合が進んだ結果と考えています。」と述べたうえで、「社会はロボットに期待を寄せ、特に先進国の首脳はロボットにさまざまな課題解決を期待していますが、まだ100%の課題を解決するには至っていません。立命館大学は20年前にロボティクス学科を設置して、ロボット技術を開発してきました。今後もロボティクスで優位性を保ちたいと思っており、金岡社長のように、産学連携から起業というアウトプットを出していきたいと思います。」と挨拶を行いました。
引き続いて、金岡博士が基調講演を行いました。金岡博士は、「ロボット工学を志してから21年。そのうち立命館には16年間在籍しました。私はこれまでロボットに人生をかけて、何を成すべきかを考えてきました。」と述べて、学生時代、教員時代、さらには、ビジネスを起業してから今回の新拠点開設までの道のり、学内外の支援者のエピソードを紹介しました。
その上で、自身の契機となった出来事として、東日本大震災を挙げられて、「本来はロボットが活躍すべきときに、貢献できませんでした。人機一体社は、東日本大震災のような環境において、対応できるロボットを世界に出していきたいと思っています。人型重機はさまざまな産業に役立つと考えており、人型重機実用化のインパクトはとても大きいと考えています。」と述べました。
最後に、独立行政法人中小企業基盤整備機構近畿本部経営支援部支援拠点サポート課・江村寛計課長が「人機一体社へのサポートが広がっていること、そして、大学発ベンチャーが育っていく姿を見ることができて大変うれしく思います。人機一体社のますますの繁栄を願っています。」と挨拶を締めくくりました。
特別講演会には、金岡博士を支えてきた方々、また、ロボット技術に関心を持つ方々など、計116人が参加、金岡博士の新たな門出を祝いました。