立命館大学スポーツ健康科学研究センターシンポジウム 「Withコロナ/Postコロナ時代におけるスポーツの未来像 」を開催
9月26日(土)、スポーツ健康科学研究センターがシンポジウム「Withコロナ/Postコロナ時代におけるスポーツの未来像―経営学・イノベーションから切り拓く―」をオンラインにて開催しました。 Withコロナ/Postコロナの時代に、スポーツが本質的に有している価値を如何にして顕在化し伝えていくことができるのか、そして経営学・イノベーションの視点からスポーツがもたらす価値について焦点をあてた本イベントに、当日は254名の方にご参加いただきました。
はじめに長積 仁・スポーツ健康科学部学部長(兼同学部教授)より開催の挨拶があり、「このシンポジウムがコロナ禍においてスポーツや新しい社会を切り拓く機会になれば」と話されました。 基調講演では徳田昭雄・経営学部教授は「キャズム理論からみたスポーツの普及」というテーマの中で、産官学市民連携に追い風が吹いておりスポーツビジネスにおいてのキャズムを超える一つの策となることを語られました。
徳田昭雄教授
また、横山暁・青山学院大学経営学部マーケティング学科准教授の講演は「大学スポーツの応援経験調査分析~大学スポーツ応援経験は何をもたらすか~」と題し、その調査と、スポーツの応援経験は「大学のブランド・ロイヤルティ」をもたらすという調査結果を話されました。続けて、萩原悟一・九州産業大学人間科学部准教授からは「大学スポーツ応援機会によるアイデンティティ形成研究~米国大学での実際」という題にて自身の経験談も織り交ぜながら、アイデンティティ形成における大学の初動教育の重要性を語られました。
パネルディスカッションは2つのテーマで行われ、「postコロナ時代におけるスポーツの未来像1~関西の大学スポーツイノベーションを考える」のテーマでは、パネリストとして伊坂忠夫・学校法人立命館 副総長(兼立命館大学副学長、スポーツ健康科学部教授)、藤本淳也・大阪体育大学学長補佐(兼大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科スポーツマネジメント分野教授)、上田滋夢・追手門学院大学社会学部スポーツ文化学専攻教授が登壇、モデレーターは和田由佳子・スポーツ健康科学部講師が務められました。関西には本音を語ることや独特のノリといった地域独自のコミュニケーションの取り方があり、それは社会において相関関係のモデルを作ることができるのではという意見などもあがり、活発な議論が交わされました。
(左上から時計回りに)和田由佳子講師、伊坂忠夫副総長、上田滋夢教授、藤本淳也学長補佐
「postコロナ時代におけるスポーツの未来像2」では、パネリストとして羽生英之・東京ヴェルディ代表取締役社長、上林功・株式会社スポーツファシリティ研究所代表取締役(兼追手門学院大学社会学部スポーツ文化学専攻准教授)、池田敦司・一般社団法人大学スポーツ協会専務理事が登壇し、モデレーターは花内誠客員教授(兼一般社団法人アリーナスポーツ協議会理事)務められました。サブテーマを「サードプレイスbyスポーツ」に変更しそれぞれの専門分野からの見解と、アフターコロナに向けての展望が語られました。
イベントの最後には伊坂教授の挨拶があり、「コロナ禍においてもスポーツを続けていくにはコミュニティが大きな役割を果たすことになる。大学がそのコミュニティを作るサードプレイスとなれば」との言葉で閉会しました。
Outline
Program
Speaker
講演・パネルディスカッション1
徳田 昭雄
2000年 立命館大学 経営学部 助教授、英国レディング大学、独国アーヘン工科大学、仏国EHESS、仏国Institut Mines-Télécom、慶応大学SDM研究科での在外研究を経て現職。
専門は経営戦略論、イノベーション論。産学官市民連携によるオープンイノベーションを推進中(福島復興プロジェクト etc.)。
趣味はスポーツ観戦。観戦好きが高じて立命館大学ラグビー部の部長を務める。
横山 暁
慶應義塾大学 理工学部 管理工学科、同大学院 理工研究科 開放環境科学専攻 修士課程および後期博士課程修了。博士(工学)。
立教大学 社会情報教育研究センター設置準備室(当時)、帝京大学 経済学部 経営学科を経て、2017年4月より現職。
専門は多変量解析・データマイニング。
2017年度にスポーツ庁の「大学スポーツ振興の推進事業」に青山学院大学が採択された際にスポーツ観戦者調査に携わり現在に至る。
萩原 悟一
1984年(昭和59年)東京都生まれ。
防衛大学校人文社会科学群人間文化学科卒業。米国アーカンソー州立大学大学院修了(M.S. Sports Administration)、九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻短縮修了(博士(学術))。
国立大学法人鹿屋体育大学大学院准教授を経て現職。専門はスポーツマネジメント。その他、一般社団法人日本体育学会幹事、株式会社リトルソフトウェア技術顧問を務める。
スポーツ庁長官賞などの受賞歴。
伊坂 忠夫
2010年スポーツ健康科学部開設の中心メンバー。
「文部科学省 革新的イノベーション創出プログラム」において、運動を「生活カルチャー化」させ、新しいスポーツ健康技術(スマートウェア技術、空間シェアリング技術、運動誘導/継続技術)による、健康・幸福寿命の延伸、寝たきりゼロを目指す「Active for All」(活力ある社会の実現)に取り組んでいる。
また、「一般社団法人 大学スポーツコンソーシアムKANSAI」の設置に関わり、2018年4月 同代表理事に就任。関西地域の大学と連帯して大学スポーツにおける「する」「みる」「ささえる」の好循環を生みだし、新しい大学スポーツの価値創造にも取り組んでいる。
藤本 淳也
1965年宮崎県生まれ。鹿屋体育大学卒業、同大学院体育学研究科修了。1993年に大阪体育大学助手。イリノイ大学客員研究員、フロリダ州立大学客員研究員を経て現職。
専門は、スポーツマーケティング。一般社団法人 大学スポーツ協会(UNIVAS)理事。一般社団法人 大学スポーツコンソーシアムNANSAI副会長。一般社団法人 日本アスリート会議理事。関西経済連合会「関西スポーツ振興推進協議会」委員。大阪商工会議所「スポーツ産業振興委員会」委員。日本スポーツマネジメント学会理事ほか。
著書は「スポーツマーケティング改訂版」(大修館書店、2018年、共著)、「スポーツ産業論入門第6版」(杏林書院、2016年、分担執筆)、「大学スポーツの新展開」(晃洋書房、2018年、分担執筆)など。
上田 滋夢
京都教育大学サッカー部ヘッドコーチ、日本サッカー協会強化委員会委員、アビスパ福岡育成普及部チーフマネジャー兼ヘッドコーチ、ヴィッセル神戸強化部長補佐、中京大学サッカー部ヘッドコーチ、名古屋グランパスエイト・テクニカルディレクター、大阪成蹊大学マネジメント学部教授を経て現職。現在、NPO法人AS.ラランジャ京都の会長も務める。
専門はガバナンス論、戦略論、アスリート教育論。2016年スポーツ産業学会政策提言コンペにて会長賞受賞(藤本淳也・上田滋夢・林恒宏)。一般社団法人 大学スポーツコンソーシアムKANSAI理事、一般社団法人 大学スポーツ協会デュアルキャリア部会員。
和田 由佳子
聖心女子大学文学部卒業、立命館大学スポーツ健康科学研究科修了、早稲田大学スポーツ科学研究科博士後期課程修了 博士(スポーツ科学)。実務者として競技団体会長の個人秘書やプロスポーツ選手たちのマネジメントに携わる。
スポーツマネジメント・スポーツマーケティングを専門とし、観戦者などのスポーツ消費者の理解とスポーツチームのブランディング、スポーツによる地域振興に関して実践と学術の両面からアプローチしている。
羽生 英之
1964年生まれ。東京都新宿区出身。JR東日本に入社し、東日本JR古河サッカークラブへ出向、現ジェフユナイテッド市原・千葉の立ち上げに関わる。その後Jリーグへ入局し、2005年より事務局長就任。
事務局長在任中の2010年、経営難に陥っていた東京ヴェルディを再建すべく社長に就任。その後Jリーグを退局し、東京ヴェルディの社長に専念し現在に至る。
上林 功
建築設計事務所にてスポーツ施設の設計・監理を担当。2014年に独立、2017年に博士(スポーツ科学)Ph.d.のち現職。「スポーツ消費者行動とスタジアム観客席の構造」など研究と建築設計の両輪にて実践。
早稲田大学スポーツビジネス研究所招聘研究員、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究所リサーチャー、日本政策投資銀行スマートベニュー研究会委員、一般社団法人運動会協会理事、スポーツテック&ビジネスラボ コミティ委員など。
池田 敦司
早稲田大学卒業後、西武百貨店にてマーケティング業務に従事。2005年楽天イーグルスの創設に参画、取締役副社長としてボールパーク構想・地域密着戦略を推進し、プロスポーツビジネスモデルの確立を果たし、2013年球団創設9年目に日本一を経験。
その後、ヴィッセル神戸代表取締役社長に就任、集客強化とスタジアム営業の改革を図る等、プロ野球とプロサッカーの2大プロスポーツの経営執行を経験。
2017年より仙台大学教授、2019年3月より一般社団法人大学スポーツ協会専務理事。
花内 誠
株式会社電通 スポーツ事業局 シニアディレクター
一般社団法人アリーナスポーツ協議会理事(2013~)
公益財団法人ヤマハ発動機スポーツ財団理事(2016~)
立命館大学客員教授(2020~)
電通スポーツ事業局にて、ゴルフ(宮里藍)、野球(サムライジャパン)、バスケットボール(2リーグ統合)等を担当後、2016年文科省「大学スポーツ振興に関する検討会議」にて、「スポーツ産学連携=日本版NCAA」を提案。
一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)
一般社団法人アリーナスポーツ協議会
スポーツハブKANSAI(大阪商工会議所)
立命館大学スポーツ健康科学部(10周年企画)