学校法人立命館と株式会社Inspire Highがインキュベーション協定を締結 ~探究学習と学部教学を接続する高大連携プログラムを開発~
学校法人立命館と株式会社Inspire Highは、探究学習と学部教学を接続する高大連携プログラムの開発を目指し、連携・協力に関する協定を締結いたしました。
近年、日本の初等中等教育は、多様な学習歴を持つ生徒が増加しており、探究学習の取り組みも強化されています。そのような状況においては、高校生活での学びと大学での学びのつながりだけでなく、社会課題や将来像を考慮して、大学で学ぶ目的意識をどのように形成するかが重要になってきています。そのためには、高校段階において、大学の学部教学に求められる基礎学力を備えた上で、明確なビジョンや高い問題意識、意欲を持った生徒を育成することが重要となります。すなわち、高校生の探究学習等における問題意識やビジョンをどのように大学教学で高度化するのか、そのためにどのような基礎学力が必要であるのかなど、一連のプログラムとして展開できるよう検討を行う必要があります。
そこで、立命館とInspire Highは高校現場での探究学習の実態をさらに深く研究するとともに、「探究学習と学部教学を接続する高大連携プログラム」開発に向けて協定を締結し、総合型選抜入試のさらなる発展と仕組みの構築を目指します。
協定締結日
2024年6月25日
主な連携内容
(1)「使命感醸成・学部理解・基礎学力担保」が三位一体の出願資格となるプログラム開発
UNITE Program(※)で実現したことに加えて、これまでの特別入試の抱える課題を解決し、より学部ごとのアドミッション・ポリシーに適う受験生の獲得につなげるため、UNITE Program による「大学・学部で学ぶための基礎学力の担保」に加えて、「社会課題をもとにした興味関心と意欲の喚起(使命感醸成)」、「使命を実現するための学部の学び理解」が三位一体となったプログラムを検討する。
(2)物理的制約を排除するためのシステムのDX化
受験生がどこからでも参加可能なプログラムを実現するために、これまでの物理的制約(対面前提)を超えDX 化したシステム導入を検討する。
(3)学外のノウハウの集結と高大接続教育におけるプラットフォームづくり
社会にとって価値のあるプログラムとするために、立命館にないノウハウをもつ学外の企業・団体の知見を積極的に取り込み、相互に創発しうる場(プラットフォーム)を構築する。
(※)UNITE Program
UNITE Programとは、atama plus株式会社との共同研究において開発した、志望する各学部(・学科)での学びをより充実させるために特に重要な基礎学力を科目の単元レベルで設定し、AIを活用した学習教材で修得するとAO選抜の出願資格を得ることができるプログラム。学部によって要件は異なるが、高校等での学習成績に関わらず、指定単元を学習し、修得することで、高い意欲やビジョンを持つ受験生が、過去の履修科目や評定平均等に関わらず、平等にチャレンジできる機会を提供することを目的としている。
杉浦 太一 株式会社Inspire High代表取締役のコメント
我々Inspire Highは、自分を深く知り、他者と関わり、社会や世界とつながりを持つ学習体験を全国の中学高校に提供しています。その中で痛感するのは、一人ひとりの主体的な学びの動機の芽を大切に育てること、探究活動が「やらされ」「負担」「きれいごと」にならないこと、そしてそのために受験というシステムそのものをアップデートしていくことの必要性です。10代一人ひとりが抱える「なぜ学ぶのか」「なぜ生きるのか」という問いと自分の未来をつなぐための社会実装を、常に先進的な取り組みをされている立命館大学の皆様と共に実現していきたいと思っています。
森島 朋三 学校法人立命館理事長のコメント
少子化が進む中、日本の大学入試において総合型選抜の割合が年々増加しています。高大接続を考えるうえで、総合型選抜は基礎学力に加えて、大学・学部での学びの理解と社会課題の解決に向けた使命感を、いかに強く持つことができるかが課題になります。私たちは、高校生が大学のこの学部で学びたい、このような社会課題を解決したいという目的意識を醸成できるよう、高校現場での探究学習の実態をより研究し、高校生の探究学習における問題意識やビジョンを大学教学においても高度化していきたいと考えています。今回の協定締結を契機とし、同様の問題意識と志を有し、実際に高校現場で探究学習コンテンツをICT提供されているInspire High様とともに、日本の教育、社会に新しい価値を提供していけるよう取り組んでまいります。