株式会社村田製作所(所在地:京都府長岡京市、代表取締役社長:中島規巨)と、学校法人立命館(所在地:京都市中京区、 総長:仲谷善雄、以下「立命館」)は、STEAM教育*の推進を通じて、次世代を担うイノベーティブな人材の育成および日本の理科教育の革新を促す教育モデルの創出に寄与することを目的に、2025年7月に協定を締結いたしました。

 7月28日に立命館大学びわこ・くさつキャンパス内にオープンした「グラスルーツイノベーションセンター(通称「GIC(ジーアイシー」)」で本協定に関する記者発表会を開催し、報道関係者約10名が参加されました。
 登壇した仲谷善雄総長は「本協定を通じ、小学校から大学まで一貫した教育の中で、自ら問題を探し出し解決策を探ることができる人材の育成に、さらに力を入れていきたい」と抱負を述べました。岩坪副社長は「本協定により、アイデアをすぐに実践的な教育の場で実装できるようになることに期待しています。理科教育の革新を促すようなモデルの創出に寄与していきたいと思います」と述べ、教育プログラムの具現化を図ることについて強い意欲を示されました。

以下、プレスリリースより抜粋。

 未来の予測が困難な時代において、デジタル・AI技術の革新など、産業構造の変化が急速に進んでいます。経済産業省が発表した「未来人材ビジョン」からも、高度な科学技術の理解に加え、問題発見力、予測力、革新性といった非認知能力を持つ人材への需要の高まりが見受けられます。つまり、「豊かな科学技術への関心・知識および専門性を基盤に、人間や社会のあり方を俯瞰しながら、起業家精神を発揮し、世界中の人々の新たな価値創造に挑戦・共創できる人材」が求められる社会へと変容しています。

 一方、国立教育政策研究所の調査によると、国際的にみても日本の小学生は理科への関心が高いにも関わらず、中学生以降はその興味が急速に薄れ、理系進路への志向が低下しています。結果として、理・工・農分野を専攻する学生の割合は低く、将来的な人材不足への懸念などが報告されています。理科好きの心を育て続け、理系の学びが社会とつながる価値を実感できる教育環境やプログラムの更なる整備が、今まさに求められています。

 村田製作所はエレクトロニクス業界をリードするモノづくり企業として、将来イノベーションを起こす人材を育成するためSTEAM教育活動に取り組んでいます。2006年からモノづくりを支える技術者の仕事内容や楽しさを伝える「出前授業」を開始し、現在ではプログラミングに必要な論理的思考を養うコンテンツなどを用い、全国の事業所近隣の学校を中心に年間100回ほど実施しています。さらに、2020年には村田製作所みなとみらいイノベーションセンター内に子ども向け科学体験施設「Mulabo!」を開設。科学や電気の基本を楽しく学べる展示やイベントを行っています。また、地方自治体と連携した次世代育成の推進や、大学と理工学への興味促進に関する共同研究を行うなど、産官学連携による活動にも積極的に取り組んでいます。

 立命館は、学園ビジョンR2030に基づき、世界水準の研究・教育展開を核とした次世代研究大学ならびに次世代探究学園の構築を目指し、小学校から大学院まで一貫した人材育成に取り組んでいます。特に理系人材の育成においては、附属校を中心に先進的な取り組みを展開しており、立命館高等学校が2002年度から現在に至るまでスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されているほか、立命館慶祥高等学校(北海道)、立命館守山高等学校(滋賀県)もSSHに採択されています。これにより、全国の附属校において科学的探究力や創造力を育む教育が実践されており、学園全体で次世代の科学技術を担う人材の育成に力を注いでいます。また、2019年に立ち上げた社会起業家支援プラットフォーム「RIMIX(リミックス)」では、一貫教育型アントレプレナーシップ教育を国内に先駆けて推進しており、アイデアの具現化や社会への新たな価値創造ができる人材の育成を目指しています。

 村田製作所と立命館は、本協定を契機に、実社会と教育現場を繋ぐ体験の循環を実現し、STEAM教育の推進を通じて、次世代を担う人材育成および日本の理科教育を関西から変えていく教育モデルの創出に寄与してまいります。

*本協定におけるSTEAM教育の定義について
 本協定において、STEAM教育とは、「STEM(Science、 Technology、 Engineering、 Mathematics)に、芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等を A(liberal Arts)として加え、各教科等での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科等の横断的な学習のこと」と定義しています。

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