皆さま、新年明けましておめでとうございます。
 2026年が、皆さまにとって飛躍と希望に満ちた一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

 世界は今、物質的な豊かさを超え、文化的・感性的な価値を追求する新たな時代へと進化しています。人工知能や生命科学が新たな可能性を切り開く一方で、戦争や紛争、急速なグローバル化がもたらした分断や排他主義、人口問題、エネルギー問題などは喫緊の課題となっています。地域社会や一国のみならず、国際社会全体が、多様な価値観を融合総合して複雑な課題を解決する力を求めています。私たちは知と感性を融合させた新しい教育と研究を創り出さなければなりません。

 立命館は、この挑戦を成し遂げるべく、2030年の学園があるべき姿を描いた「学園ビジョンR2030」を掲げています。その核心は、世界をリードする次世代研究大学・次世代探究学園の創造、そしてイノベーション・創発性人材の育成です。私たちは未来社会に貢献する学園づくりを加速し、国際的な知のネットワークを拡大してまいります。

 昨年、立命館は創始155年、学園創立125周年という歴史的節目を迎えました。学祖・西園寺公望の志を胸に、中川小十郎が築いた建学の精神「自由と清新」に立ち返り、挑戦を止めない決意を新たにしました。「宇宙戦略基金事業(第一期)『SX 研究開発拠点』」や「宇宙戦略基金事業(第二期)『月面インフラ構築に資する要素技術』」や文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業」(J-PEAKS)など、世界水準の研究に挑む大型プロジェクトに採択され、産学官連携を通じて地域や世界の課題解決の先導役になって行きます。さらに、立命館アジア太平洋大学(APU)は開学25周年を迎え、「APUで学んだ人たちが世界を変える」という理念のもと、グローバル人材育成を加速させています。附属校においても優れた教育と探究活動を発展させ、大学や各附属校間で連携を強化しています。

 そして2026年、私たちは「学園ビジョンR2030」の後半期に突入します。今年は立命館学園がより一層相互の連携を深め合い、レベルを高めて次世代研究大学・次世代探究学園を実現するために極めて重要な転換点になると考えています。その象徴の一つが、4月に開設する「デザイン・アート学部、デザイン・アート学研究科」です。これまでの教育・研究の枠組みを超え、未来志向の新たなデザイン学の追求と、アートの技術・感性を基盤に、自然科学と人文・社会科学を横断する革新的な教育・研究を展開し、世界に通じる新たなデザイン学を切り開きます。立命館学園は、中期計画のビジョンワード「挑戦をもっと自由に」を体現し、小・中・高から大学院までを擁する総合学園の強みを最大限に生かし、多彩な個性が交差し響き合う豊かな学びの場を創出してまいります。

 私たちは、創立150周年を迎える2050年に向け、「世界最高水準の研究大学・探究学園」を目指します。新たな価値を創出し、未知の課題に挑み、知の最前線で若者たちとともに未来を切り開きます。その成果を社会に還元、実装し、グローバルに存在感を示す学園としてまい進してまいります。

 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2026年1月1日
学校法人立命館
総長 仲谷善雄

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