小林鷹之自由民主党政務調査会長がESECを視察―宇宙産業の社会実装に向け意見交換―
2026年8月30日、自由民主党政務調査会長の小林鷹之衆議院議員が、びわこ・くさつキャンパス(BKC)を視察されました。当日は、自由民主党本部および同滋賀県支部連合会の関係者に加え、三日月大造滋賀県知事ら滋賀県関係者が来訪しました。
始めに、立命館大学宇宙地球探査研究センター(以下、ESEC)の佐伯和人センター長が、月資源探査や宇宙戦略基金事業による研究開発、有人与圧ローバーとの連携についての取り組みを説明しました。月惑星探査実験室の視察では、小型月着陸実証機「SLIM」に搭載されたマルチバンドカメラ(MBC)のエンジニアリングモデルや月極域探査計画「LUPEX」関連装置をはじめとする月・惑星探査の研究設備に加え、ESEC小林副センター長よりアポロ計画で採取された実物の月レゴリス試料と月面模擬土(シミュラント)などを紹介しました。 小林政調会長から、月の氷を探す技術が将来どのような社会実装につながるのかなど、研究成果の今後の展開について質問が寄せられました。佐伯センター長は、月に存在する氷から水を得て、それを電気分解することでロケット燃料を製造し、地球への帰還や火星への旅に必要な燃料を月で補給するという考え方を示すとともに、実用化には石油開発と同様に、資源の量や不純物の有無、採掘コストなどを調べることが重要であると説明しました。
続いて、ESECの中須賀真一教授(宇宙地球フロンティア研究科長就任予定)が、2028年度に開設を予定している「宇宙地球フロンティア研究科(FREX)」の構想を説明しました。宇宙関連予算が急速に拡大する一方、プロジェクト全体を牽引できる人材が不足している現状を踏まえ、理学・工学・マネジメントを横断し、実際の宇宙プロジェクトを研究・教育の場とすることで、技術と事業の両面からプロジェクトを構想・牽引できる人材を育成する方針を示しました。また、英語のみでも学位を取得できる教育環境を整え、学生の半数を留学生とすることで、国内外をつなぎ、国際連携や市場開拓の架け橋となる人材を輩出する構想を紹介しました。
さらに、FREXとESECの研究基盤を生かし、関西の企業、大学、自治体、金融機関等との連携を通じて、衛星の低コスト化・量産化やスタートアップ創出につなげていく方向性を説明しました。研究開発から人材育成、産業化までを一体的に進め、滋賀・関西から新たな宇宙産業の創出に貢献していく本学の考えをお伝えしました。
小林政調会長は、「研究のための研究ではなく、社会実装が重要」と述べられ、宇宙分野は産業と安全保障の両面で重要であるとの認識を示すとともに、日本が宇宙空間や月面で得られるデータのプラットフォーマーを目指す意義を強調されました。また、衛星、ロケット・宇宙アクセス、月面分野への重点的な取り組みに期待を示され、将来の宇宙ビジネスを見据えた法整備や国際ルール形成についても、大学の積極的な関与に期待を寄せられました。
本学は、今回いただいたご意見とご期待を踏まえ、今後も滋賀・関西を拠点に、研究開発、人材育成、産業創出、ルール形成を一体的に推進し、日本の宇宙分野の発展に貢献してまいります。



