産学連携で「グリーンソーシャルイノベーター」の育成を推進 キャプランとの共同研究を開始

 産業社会学部 永野聡准教授のゼミが、パソナグループのキャプラン株式会社との共同研究を開始しました。カーボンニュートラルと経済成長を両立させる地域社会のGX※1(グリーントランスフォーメーション)に向け、中核的な役割を担う「グリーンソーシャルイノベーター」の育成を目指します。

 永野ゼミは、従来から地方における社会問題に取り組んできました。例えば、地域の資源に着目し、アートの観点からその魅力を伝えるため、「越後妻有 大地の芸術祭」にて新潟県十日町の資源「和紙」に着目したアート作品を出展するなど、地域と連携した実践的な研究活動を行ってきました。

 日本では、政府が2050年のカーボンニュートラル達成を目指し、地域のゼロカーボンシティ化を推進しています。その一方で、地方では過疎化や高齢化による地域経済の低迷や、後継者不足による地域資源の消失など、さまざまな問題を抱えています。こうした問題を背景に、CO₂実質排出量ゼロに向けた環境投資に踏み切れない地域もあります。

 永野ゼミでは、そうした状況を踏まえ、企業や自治体向けにCO₂排出量可視化のBPO※2サービスや環境研修サービスを提供するキャプラン社との共同研究によって、今年度から開始した「グリーンソーシャルイノベーター人材育成プログラム」における、学生の行動変容やスキル向上に向けた学習内容の有効性を検証することにしました。

淡路島でのフィールドワークの様子(旧野島小学校の利活用)
淡路島でのフィールドワークの様子(旧野島小学校の利活用)
淡路島でのフィールドワークの様子(玉葱の皮の利活用)
淡路島でのフィールドワークの様子(玉葱の皮の利活用)

 今後、検証結果を踏まえ、「グリーンソーシャルイノベーター人材育成プログラム」を他学部や他大学に広げることや、キャプラン社が企業等に向けて提供するGX人材育成の研修プログラムに応用することなどを通じて、グリーンソーシャルイノベーターを育成し、サステナブルな地域社会の成長や地球環境保全への貢献を目指します。

※1 GX(グリーントランスフォーメーション):温室効果ガスの排出源である化石燃料などから、太陽光発電などの再生可能エネルギーや脱炭素ガスに転換することで、社会システム・経済を変革し、大きな成長につなげること。
※2 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング):企業が業務の一部を外部に委託すること。

産業社会学部 永野聡准教授のコメント

 今回、パソナグループのキャプラン株式会社様と本共同研究が取り組める事、嬉しく思っております。「グリーン社会の実現」は、国をあげて推進する取組みでもあり、国際的にみても極めて重要な取組みの1つです。国内外問わず、脱炭素化を推進するための人材の育成は急務です。それらの社会動向を鑑み、ゼミのテーマである「ソーシャルイノベーション・ソーシャルデザイン」とグリーンを融合して、地域社会の課題を解決する人材(グリーンソーシャルイノベーター)を、育成する挑戦を実施しております。
 日々模索を繰り返しながら、一人でも多く人材を国内外に輩出していきたいと思っております。何卒よろしくお願いいたします。

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